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カナビスの分類とカナビノイド
カナビスは、成育地の環境が異なれば形状やカナビノイドの構成も異なることはよく知られている。
カナビスの分類は、植物の形状のよって行われる 「形態型」 が多いが、この他にもカナビノイドの化学的構成の違いによって分ける 「ケモ型」(chemotype) と呼ばれる分類方法もある。
現在では、シードバンクによって人工交配が進み数百種類の種子が販売されるようになって、この2つの分類方法は入り組んできているが、以前のように地域性の強い自然交配が主な場合は、形態型とケモ型には一定の相関傾向が見られる。
形態型分類
形態で分類する代表的な方法は、サティバ/インディーカ分類で、葉の形状、背丈や成育期間にも違いがある。薬用用途に限定すれば、ケモ型分類とも重なっている。
ケモ型分類
ケモ型は通常、THC(テトラヒドロ・カナビノール)とCBD(カナビジオール)の2種類のカナビノイドを軸に、次の5つのタイプに分類されている。
これら5つのケモ型はそれぞれが明確に分離しているわけではなくお互いが重なりあっている。形態にも多くのバリエーションがあるが、重要なことは、カナビノイドの生成量や構成比が遺伝によって決まるということで、栽培方法の工夫によって植物の大きさや形や樹脂の浸出量はある程度変えることはできるものの、遺伝的性質であるカナビノイドの構成を簡単に変えることはできない。このため、タイプ IIIの繊維用のヘンプの種からは高THCのカナビスを育てたりすることはできない。
CAT分析による分類
CAT分析 では、THCとCBD以外のカナビノイドも含めてさらに細かい分類をビジアル化して提供している。この指標を使えば、素性の分からない植物でもかなり正確に特徴を知ることができる。
ブリーディング
栽培法でカナビスの遺伝的性格を変えることはできないが、種類の違う植物を交配によってそれぞれの遺伝子を組合せ、特徴の入り交じった品種を作ることができる。最近は、サティバとインディーカの人工交配(ブリーディング)が盛んに行われ、一部のシードバンクでは、サティバ/インディーカの遺伝子比率が、100-0、70-30、50-50、30-70、0-100などと分類して種子を販売している。
交配の世代で品名が重複することも多い。例えば、スカンクには20種類以上種類があるといわれている。
ブリーディングは、新しい品種をつくり出すためばかりではなく、品種を安定させるためにも行われる。一般に、交配結果が安定するには5シーズン以上の成育が必要とされ、その間、形状が安定せず奇形が現れたり、種がうまく発育しなかったりする。
また、特別な環境に適応するように植物を改良することも行われている。最近では自家栽培がさかんになり、狭い室内でも簡単に栽培できるような小型で、成育期間が短く、照明の波長によく反応する品種の開発も進んでいる。
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インディーカ 葉のブレードは幅が広く、一枚の葉のブレード数は3〜7。背は低く、成育期間は短い。開花期間は6〜8週間で、バッズは密で樹脂に富んでいる。植物の色は濃いグリーン。芳香は強く、味も強い。ケモ II 型で、効果はボディ・ストーン系。