第9章 カナビスの医療的側面 メディウイード

●カナビスによる苦痛緩和

カナビスの医療目的での使用については古くから知られている。研究者たちは、数千年前のものとして確認さている古代ミイラの腹部からハシシの残留物を発見している。なぜ病人たちはカナビス草の抽出物を食べていたのか? 末期的な苦痛を和らげることができたのだろうか?

カナビスの医療的使用や効果を調べた多くの研究の結果を考慮すると、カナビスは長期的な痛みに苦しむ人々の役に立つことが明らかにされている。最新の結果が2002年10月1日付けのイギリスのインデペンデント紙に掲載された。
カナビスの苦痛緩和に新証拠
カナビスをベースとした医薬品が苦痛を緩和するという新たな証拠が提出され、多発性硬化症や神経関連の患者たちの役に立つという期待が高まった。激しい苦痛を伴う多発性硬化症などの患者34人に対して行われた過去の第1医薬品試験の結果では28人に薬の有意性が認められ、その後も試験が継続されていた。すべての患者が他の鎮痛剤も試していたが改善は見られなかった。

第2医薬品試験であるこの研究は過去最大のもので、カナビスをベースにした医薬品の開発をライセンスされたベンチャー企業GW製薬によって行われた。最新の結果はウイリー・ノッツカット博士によりネバダ州リノで行われたアメリカ苦痛処理学会で明らかにされた。

「以前では手に負えなかった苦痛の症状がカナビスをベースにした薬で全員にめざましい改善をもたらした。」  患者たちには、カナビスの2つの活性成分であるテトラヒドロカナビノール(THC)とカナビディオール(CBD)が異なる比率で配合された3種類のカナビス薬が与えられた。
健康問題担当 ジェレミー・ローレンス
これに類した記事は無数にあるが私はこうした見方を正しいと信じている。現実は悲しむべきことなのだが、私はたくさんの人たちが、痛みやけいれん、化学療法による吐き気の軽減や、リウマチの機能改善、偏頭痛やクローン病に苦しみなどから逃れ、リラックスしたり眠ったりするためにカナビスを使っているを知っている。

こうした声は私が 「私の患者」 たちから直接聞いたものだが、社会の健康福祉システムは彼らを全く無視し続けてきた。私や同業者たちのコーヒーショップでは彼らにカナビスを提供しているが、そうした無視こそがそうさせているのだ。

●ワーナードのポジトロニクス・メディウイード

コーヒーショップが医療目的のカナビスを配布し始めたのは1996年のことだ。ワーナードは自分の愛する植物が病に苦しむ人たちに福音をもたらすことを知ったのがきっかけだった。彼は、通常の処方薬では改善が見られず何年も苦しみ続けている患者たちに向けてカナビスの医療的使用ハンドブックを作成した。

彼はカナビスを病気の人たちに配布するために「メディカル・ウイード」を短くしてメディウイードという言葉を提唱し、オランダ中のコーヒーショップに対してメディウイード関連患者たちへカナビスを提供するシステムに加わるように呼びかけた。

私はメディウイード・システムについて知ったのは、ワーナードがシステムを始めてまもなくのことで、ハーレムに引っ越してきた彼の患者からだった。マーセルがディーリングをしていると、一人の男性がポジトロニクスのようにディスカウントしてくれないかと頼んできた。多発硬化症による痛みとけいれんの緩和に使うという。

私はマーセルに呼ばれて話しに加わった。われわれは、カナビスが彼に何をもたらしたのか、どうして薬局ではなくポジトロニクスから買うのか説明を聞いた。彼は、薬局のウイードは効力が弱いのに値段はとても高く、生活保護を受けている低所得者には賄いきれないと語った。 グラム当たり13ギルダーと高価な上に、国の保険が適用されないので還付金も出ない。友達がポジトロニクスの記事をカナビス・マガジンで読み、それを送ってくれたのが参加した理由だった。

メディウイード・システムでは登録された患者なら大幅なディスカウントを受けることができる。彼の場合は半額でカナビスが手に入った。これは彼にとって大変な違いだった。買っても少しはお金が残るのだ。われわれの最初の医療目的カナビス患者になったルードには半額にするようにマーセルに言い、ルードにはメディウイードの連絡先ポジトロニクスの番号を教えてくれるように頼んだ。

●ゲール・デ・ズワンを紹介される

翌日私は、ウイリー・ウォーテル・ワークショップがメディウイードの代理店に加わるにはどうすればいいのか詳細を尋ねるためにポジトロニクスに出向いた。 奇妙なことに、病気の人たちにディスカウントで自分のウイードを提供する側だというのにシステムの参加料として500ギルダー払わなければならないという。しかし、それは参加するのにあたって必要となるメディウイードを解説したファイル50セット分の費用だった。患者に配って、カナビスの医療的使用の背景を知り、実際にどのように処方したらよいかなどの有益で教育的な情報が得られるようになっていた。

ウイリー・ウォーテルは雑誌のメディウイード取扱店のリストに加えられ、ポジトロニクスのウェッブサイトに載った。2ヶ月で46人の患者の登録してきてメディウイード・システムに興味を持っている人たちがたくさんいることが分かった。ファイルが足りなくなり、他にも何かできることはないのかもっと多くの情報も知りたくなった。患者数と特定の病気や障碍に対して使ったカナビスの量をどのように追跡記録したらいいのか興味があった。

1997年が明けると私は再びポジトロニクスに行ってワーナードにそのことを尋ねようとした。しかし税務や財務の問題に忙殺されていて時間がないと断られた。 私は代わりにデニスと座って話をした。彼はポジトロニクスの従業員で、オランダのカナビスシーンを扱ったワーナードのソフト・シークレット・マガジンのスタッフの一人でもあった。デニスは、ワーナードがいろいろ重要なことに巻き込まれて時間がないので、医療カナビス患者グループの代表のゲール・デ・ズワンなら役に立ってくれるだろう、と教えてくれた。

ゲールの電話番号を渡してくれたのでその日に連絡を入れた。ゲールは、次の週、ドイツで行われるカナビジネス・ショーでオランダの医療カナビス患者グループについて講演することになっているという。たまたま私もそこへ行く計画があったのでコンベンション・ホールで落ち合って一緒に何ができるか探ることにした。

●ゲールとの出会い

医療マリファナ患者の会(Medical Marihuana Patients PMM)の代表ゲールに会ったのはドイツのカストロップ・ラクセルで開催された第1回のカナビジネス・ショーだった。私もコンベンションにブースを一つ借りていた。ホールのレストランに腰を下ろして一服しながら話をした。彼は、オーディトリアムでオランダでのカナビスの医療使用の状況について講演を終えたばかりだった。聴衆は主に科学者や医者たちで、医療目的のカナビスを受け容れるために立ち上げられたドイツのアクション・グル-プの関係者かそれに関心を持っている人たちだった。


ベルギーのセミナーで講演するゲール・デ・ズワン

ゲールは患者の会の行く末について多少悲観的だった。スポンサーやオフィスもなく資金もなかった。残り少なくなったパンフレットに見つめながら放心状態だった。私はオランダの医療使用のことについて書かれたパンフレットを手に、いずれ政府に対してこれを使う日が来るのでもっとやろうと話した。また、ハーレムにヘンプに関するミュージアムを開き、教育と登録のための医療カナビス部門を設ける計画についても話した。

われわれは協力していくことになった。ゲールの本を増刷するために私がスポンサーを申し出た。ワーナードのファイルに似ていたが患者相互の情報がより豊富だった。ゲールには開設予定のグローバル・ヘンプ・ミュジアムの医療部門を手伝ってもらうことになった。

●ワーナードの欠席

話が済んでうまいジョイントを何本か吸った後、ブース会場へ下りていった。二人ともまだショーを見学していなかったのだ。 メインエリアの角の大きなブースが空になっていた。そこはポジトロニクスが予約していたところだったが、ワーナードやスタッフの気配がなかった。出展していない理由を知っている人はいなかった。

ワーナードの欠席という不穏な事実は不吉だった。詳細はわからなかったが、1週間前にポジトロニクスが破産を宣告されたことを後で知った。ワーナードは完全に打ちのめされ誰にも会おうとはしなかった。 この悪いニュースを知った後、デニスがなぜゲールを紹介したのか理由がわかった。彼は事態の成り行きを知っていたに違いない。その時はまだポジトロニクスを救おうともがいていて話したくなかったのだ。だがその甲斐もなく終わてしまった。

●メディウイードの全国網を計画

その日からゲールはウイリー・ウォーテルの常勤になった。われわれは患者登録のシステムを立ち上げた。それと平行して患者たちに発行するメディウイード・パスのロゴをデザインし、新しい情報ファイルの印刷を始めた。ワーナードのシステムに加入していたコーヒーショップの数については、ポジトロニクスの管理記録が税務署に押収されていたので知る術はなかった。ゲールのところには、医者が処方して薬局から提供されるカナビスの品質や価格の高さについてたくさんの苦情が寄せられていた。

まずこれをどうにかすることに決め、メディウイード流に低価格で患者に提供してくれるコーヒーショップの配送網を作ることにした。国を二つに分けて、南部はゲールが、残りのオランダ北部は私が担当することになった。同業者に電話をかけ興味を持ってもらうところから始めた。約束を取り付けてはコーヒーショップを車で走り回り、参加方法となぜ計画を実行するために加わってほしいのかを説明した。

オランダの隅々までまわり終わった。頼んだ大半のコーヒーショップは参加してくれたが、仕事が増えるだけだから興味はないというところもあった。7月の終わりまでには43軒のコーヒーショップ・オーナーが計画に関心を寄せ、ほとんどが即座に参加してくれた。

●健康相、カナビス処方箋を禁止を示唆

夏のホリデーシーズンが過ぎら、計画に参加したいすべての人を対象にしてどのようにイニシアティブを発展させるたらよいのかについて討論する会議を呼びかけることにした。患者たちの使用状態を追跡してもっと情報を得るための方法を話し合うつもりだった。

しかし、1997年8月7日、健康相のエルス・ボースト博士が声明を出したことで急遽会議を招集しなければならなくなった。彼女は、カナビスの医学的価値はまだ厳密に証明されていないので、以後、医師がカナビスの処方箋を書くことや薬局が売ることを禁止すると発表した。


ボースト健康相

●緊急会議を招集

休暇直前、ある通信社がウイリー・ウォーテルに現れたゲールにその声明に対するコメントを求めてきて事態を知った。このことで即座に行動を起さなければならなくなった。プレス用のメッセージを作成してその日のうちに送った。「われわれは代替となる分配ネットワークを構築中であり、この計画でカナビスの必要な病気の人たちが薬を手に入れられることになる。」

プレスはこれに飛びついてきた。ゲールと私は自分たちの見解を伝え、休暇に入っていない何軒かのコーヒーショップに翌週の1997年8月13日に会議を開くことを呼びかけた。 ホリデーシーズンと周知期間が短かったので出席できたのは15軒のコーヒーショップだけだったが、他のほとんどが私に投票の委任をしてくれた。

●医療カナビス・アクショングループ(ACM)

会議では、ダッチ・アクショングループ・カナビス・フォー・メディシン(ACM)が設立され、事業主はメディウイード・システムへの協力とそれぞれの地区を担当することを誓いあった。オランダ中42カ所に程良く分散したメディウイード・コーヒーショップの場所をカナビスの葉を描いた地図をプレスに配った。 われわれはまた、メディウイード患者に配布するための医療目的のカナビス栽培の特別許可を得たいと表明を出した。配布はとりあえず、通常業務で使っている既存のアンダーグランドのネットワークに頼ることにした。

オランダの保守政党CDAはこれを脅威とみなした。最も狂信的なカソリックの一人であるファン・デン・カンプはゲールと私を、病人にカナビスを売って新たな儲け先を構築しようとしていると非難した。彼は、われわれが意図しているコストと価格については決して耳を貸そうとはせず、儲けを意図したものではないことを理解しようともしなかった。

だが、民主党のD66のファン・ボクステルからは推進すべきだという政治的支持を得た。社会党のPvdAのロブ・オウデカークも支持を寄せた。二人とも、少量ならカナビスの使用によって恩恵を受けるガンやエイズなどの病気の人たちが利用できるようにすべきである、と述べた。オウデカークは全額補助をした通常の健康福祉システムに加えるべきだ、とも加えた。

あらゆるパブリシティを利用したこともあって、ゲールのPMMとコーヒーショップのACMには大量の新しい患者たちが情報とカナビスを求めて流入してきた。ボースト大臣は医師が再びカナビスの処方箋を書くことを認め、最寄りのコーヒーショップでメディウイードを入手することも認めた。コーヒーショップの事業主たちがACMのスポンサーになったことでゲールは本拠地のロッテルダムにオフィスを借り、PMMとACMの両方を担うメディカル・カナビス・センターを開くことができるようになった。



●PMM正会員、3000人

彼は主にメールを使い、連絡してきた患者たちの面倒をみはじめた。現在はそれだけではなく施設にスモーカールームを作り同じ境遇にあるみんなが時間とカナビスを共有できるようにしている。

ゲールはオランダのカナビス・マガジン 「エッセンシー」 に毎週2ページの記事を書き、メディウイードに興味のある人々に呼びかけたり忠告したりして、ワーナードの最大の課題であるメディウイード・システムの存続に力を注いでいる。ゲールと仲間たちは現在、正会員として3000人の患者たちに最高のメディウイードを提供している。

1997年8月9日付けのハーレム日報には 「薬局からコーヒーショップへ」 というヘッドラインでメディウイード計画についての記事を掲載した。

口先きだけではない
ウイリー・ウォーテルでは現在50人ほどの患者を抱え、近所のケアホームにもジョイントを届けている。ジョイントの効力には中と強の2種類あり、費用は銀行で処理されている。多発性硬化症患者向けに特別に開発したTHC入りのチョコレートバーもあり、就寝の直前に食べると一晩中けいれんを起こさずに快適に眠ることができる。

●グローバル・ヘンプ・ミュージアム、医療カナビス情報

1年をかけてオランダ、デンマーク、ドイツを回りヘンプのショーやカナビス・カップ、ハシシ・バッシュなどから膨大なヘンプ資料を集めた。そのころウイリー・ウィオーテル・ワークショップのビルの家主がわれわれのカナビスの販売を快く思っていないこともあり、新しい引越し先を提示されていた。引越しは断ったがその場所に長年の夢だったヘンプ・ミュージアムを作ることに決めた。ハーレムの中心でスパールネ川沿いにある倉庫だった。

1998年の5月初めから作業が開始された。以前はカー用品の店の倉庫として使われていたので荒れ放題だった。しかし見栄えよく改装し再び仕事ができるようにした。3ヶ月の重労働と多額の費用をつぎ込まねばならなかった。床や壁、天井を新しくして、セントラル・ヒーティングなどの設備を整えた。すべてはウイリー・ウィオーテル・ワークショップのメンバーが作り上げた。マルスカが中心になって、とりあえずすべてのコレクションを一堂に集めた。ワーナードの関心を引き寄せて、長年にわたり彼が収集し保管してきた数々の品物を展示してワーナードたちの歴史を振り返る特別コーナーも企画した。

グローバル・ヘンプ・ミュージアムには教育用として5本の雌植物を展示することが許された。実際上の許可はなかったがハシシも一緒に展示した。開幕日には多数のプレスや訪問者が来てくれた。ワーナードがオープン・セレモニーですばらしいスピーチをしてくれた。ゲール・デ・ズワンは仲間たちと出席してくれた。ミュージアムは上々の滑り出しをして、ハーレムはヘンプ・シティになった。

ミュージアムはまた、多数のメディウイード潜在患者、とりわけコーヒーショップに出入りするのには気が進まないお年寄りなどのメディウイードの情報センターともなった。患者用には特別カウンターを設け、カナビスを摂取するにはいろいろな方法があることや、分からないことのすべてを解説した。

どうすればいいのか知りカナビスを試してみようと決めた人たちはウイリー・ウォーテルなどに案内した。ミュージアムではカナビスを売ったり、例え無料でも提供することは許されていなかったからだ。これは法律によるものではなく家主との約束によるものだった。家主は、われわれがここを新しいカナビスの店にしてしまうのを懸念して一袋のウイードやジョイント1本さえ販売して捕まったら10万ギルダーの罰金を払うことを条件にしていた。

●「カナビス医療と実践」を出版

ミュージアムでは各種のバポライザーも展示していた。これらの器具が温度調整ができるようになっていて、燃やさずにカナビスの活性成分だけを蒸気して吸い込めるようになっている。この方法は吸入課程で有害な物質を発生させないので非常に安全性が高く吸いやすい。

2001年、グローバル・ヘンプ・ミュージアムは、ヘンドリック・ギールスが編纂編集した医療カナビス患者の本 「カナビス医療と実践」 を出版した。いままで使ってきた薬からカナビスに変えた生活がどう変化したか、という患者へのインタビューで構成されている。カナビスを吸わずに食べたり飲んだりして摂取する方法のレシビや、摂取量についても量ごとに特定の身体の反応をどうやって検知したらいいかといった説明も含まれていた。

7月、グローバル・ヘンプ・ミュージアムで、ヘンドリックと本に登場する患者のコーリーから、メディウイードへの貢献を称えてこの本の最初の1部がワーナードに進呈された。ワーナードはこれに大変喜びして、彼のミッションを引き継いでくれていることに感謝を述べた。 本に登場するほとんどの患者たちも参加していて、ワーナードに自分たちの本が手渡されるのを見ていた。多くの感動に包まれた美しい午後だった。


最初の一冊をワーナード・ブリューニングに捧げるヘンドリック・ギールス

しかしプレスはこの本の発表を全く無視した。夏になってはじめて好天に恵まれ、新聞はオランダのビーチ・ライフの話と半裸で日焼けする人々の写真で埋まっていた。

●健康相、再び薬局のカナビス販売を許可

2002年の初めボースト大臣は、1997年には医療上の有用性の医学的根拠がないとして医療システムから閉め出しておきながら、今度はその根拠も示さず、いやいやながらも再び薬局でカナビスを扱うことを許可した。彼女は医療用カナビスの補助については言及しなかった。それで何が患者たちのメリットになるというのだろうか?  薬局ではカナビス1グラムあたり9ユーロもする。しかも利益を確保するために病人に対する販売最低量は5グラムだ。

コーヒーショップでの平均価格はグラム7ユーロで患者はその半額なのだ。なのになぜボースト大臣は薬局へ行かせようとするのか?  私の考えによれば、カナビスの効力がめざましいので人々が薬局の処方薬を止めてしまうからだ。彼らは薬の市場の多くをカナビスに奪われているのを見て、お客を取り戻そうとしているのだ。ボースト大臣はそれを手助けしている。しかしメディウイード患者たちは自分で判断し、彼女の理不尽なごまかし計画にははまらない。

カナビスに対して成された過去のすべての研究と将来の研究の結果がいかなるものであれ、既に使っている人たちには何も影響しないだろう。私は医者でも精神科医でもない。ただ、考え得る最悪の環境下でカナビスが多くの人々の生活の助けになっていることを知っているだけだ。

私は、カナビスが、医療利用している患者たちとその家族に何をもたらしているのかを見てきた。カナビスの効果というものは医学的なものばかりではなく、ほとんどの場合、患者の気分が良くなればそれが回りにも直接反映するものなのだ。カナビスが病気の人々や友人や家族などにポジティブに作用すれば、それだけでも十分に効果があることになると思う。

●私はただのコーヒーショップ・オーナーに過ぎない

私は、ボースト大臣のUターンについてハーレム日報に感想を求められた。コーヒーショップの3倍も負担を強いることはメディウイード患者を罰するようなものではないか、最初に彼女がやらなければならないのは患者のカナビスに補助することだ、と答えた。 彼女のシステムは薬局の利益にしかならない。病気で絶望している貧しい人たちから巨大な利益を巻き上げようとしているのだ。

私はカナビスの使い方についてろくに知らない薬剤師たちを非難してきた。彼らの 「アドバイス」 はどうやってお茶を入れるかという程度の説明だけでカナビスを5グラム出して終わりだ。「45ユーロです。まいどあり。」

地域の薬局組合の組合長はカナビスについて詳しくないことを認めている。もっと勉強して将来は患者に適切な情報を提供し指導していく意向だという。彼はこんなことも提案している。「たぶんファン・シャイク氏ならカナビスを医学的にどう使ったらよいのかをわれわれに教えてくれる有益なコースを作れるでしょう。」

彼の提案に答えるつもりなど全くない。なぜ私がやってきたように患者たちに直接尋ねないのか。私は薬剤師になる勉強をしたわけではない。私はただのコーヒーショップ・オーナーに過ぎないのだ。