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2006年11月8日



●カナビス法改革に入り交じった反応、2006年中間選挙結果
2006年11月8日 - アメリカ・ワシントンDC発

2006年の中間選挙では、カナビスおよび医療カナビス合法化を求めた州レベルの条例3案が否決される一方で、カナビスに対する法執行の優先順位を最も低くする非優先条例案が軒並通過し、カナビス法の改革を目指す人たちにとって悲喜交交の結果となった。


コロラド、ネバダ、サウスダコタ各州の選挙民たちは、カナビスの使用と所持に関する州の罰則規定を修正することに難色を示した。

コロラドの 
修正44号案 は、成人による1オンスまでのカナビスの所持と使用に対する民事罰の撤廃を求めていたが、得票率40%で否決された。ネバダ州の クエスチョン7 では、個人使用目的のカナビスの少量所持に関するすべての民事罰の廃止と、州公認のベンダーによるカナビスの栽培・配布・販売システムを構築して課税で規制管理することを求めていたが、得票率は44%にとどまった。また、サウスダコタの 4号発議案 は、医師の承認の下でのカナビス医療目的使用を求めていたが、得票率は48%で僅かに及ばなかった。

州レベルの条例案がいずれも否決されたことについて、NORMLのアレン・ピエール事務局長は、「確かに、これらの結果には落胆させられましたが、全く予期していなかったわけでもありません。ですが、結果はどうあろうとも、コロラドとネバダでは州法で医療カナビスが認められていますし、少量のカナビス所持では投獄や前科になることにはこれからも変わりありません。また、サウスダコタの結果は残念なことですが、これによって、医師の承認による医療カナビスの利用を約8割のアメリカ人が支持しているという世論調査の事実は何ら変わるわけでもありません」 語った。


これに対して、地元の市レベルのカナビス改革条例案は、いずれも圧倒的な賛成を得て成立している。

アーカンサス州ユリーカスプリングス市では、1オンス以下のカナビスと喫煙具などの所持犯に対しては、地元警察が直接逮捕せずに召喚状の発効にとどめることを求めていたが、得票率64%の賛成を得た。この市条例案は、フェイエットビルのアーカンサス大学NORML支部 が発議したもので、カナビスの非罰則化案としてはアーカンサス州では初めて承認された提案だった。

カリフォルニアでは、トリオ・サンタで非優先化所例案がそろって成立している。サンタバーバラの P号条例案 では、市警察の執行活動において、成人のカナビス使用者を捜査したり、出頭命令を発効したり、逮捕したりすることの優先順位を最も低くすること、さらに、カナビス関連の警察の活動をチェックするためにコミュニティ監視委員会の設置を求めていたが、65%の賛成を得た。同じような内容のサンタクルズの K号条例案 とサンタモニカの Y号条例案 でもそれぞれ63%で承認されている。

もう一つの非優先化条例案であるモンタナ州ミズーラ市の 2号案 も53%を獲得して通過している。

また、マサチューセッツ州 では、複数の下院選挙区と上院選挙区で、カナビスの個人使用の非犯罪化と医療カナビスの合法化に関する公聴会を開くことが認められた。マサチューセッツ州の選挙民は、2002年以来、110のコミュニティの延べ42万人以上が同様の非拘束決議案を承認している。

NORMLのアレン・ピエール事務局長は、この地元レベルでの選挙戦ではアメリカ人の圧倒的多数が、もっと理にかなったカナビス政策を支持していることが明らかになったと語っている。

「これらの結果は、市民たちがアメリカのカナビス法の改革を強く支持していることを物語っています。でも、改革は少しずつ進めるほうがよいと思っていることも表しています。繰り返しになりますが、市レベルでの成功は、アメリカの多数が、成人の責任あるカナビス使用に対して逮捕や投獄、あるいは自分たちの税金をカナビス事犯に優先して使うことは望んでいないことを如実に示したものです。」

さらに加えて、今年の選挙の結果で、長いあいだ医療カナビスの合法化を支持して協同提案者にもなったことのあるカリフォルニア州のナンシー・ペローシ民主党院内総務が下院議長になることで、連邦も変化する可能性があると指摘し、「私たちは、アメリカ下院が新しい民主党リーダーをむかえて、いよいよ、医師の承認による医療カナビスの合法化と、責任ある大人のカナビス使用の非犯罪化へ向けて公聴会が開かれるようになることを願っています。」

For more information, please contact NORML Executive Director Allen St. Pierre or NORML Senior Policy Analyst Paul Armentano at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7084