Weekly News

2006年12月14日


FDA、問題のカナビノイド・ブロック製剤を認可へ
サンディエゴ郡政当局、高裁の215条例判決を控訴



●FDA、問題のカナビノイド・ブロック製剤を認可へ
2006年12月14日 - アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク発

アメリカの医薬品規制当局は、来春にも、カナビノイド・レセプターのアンタゴニストSR141716Aを処方医薬品として認可するかどうか決定すると発表した。この薬は、サノファ・アベンティス製薬が糖尿病治療と抗肥満薬として販売しているもので、6月にヨーロッパ数ヵ国で 
認可 を受けている。商品名はアカンプリア(リモナバント)呼ばれ、ダイエット目的で使われる。選択的カナビノイド・ブロッキング製剤として機能し、人間用として認可された初のカナビノイド・アンタゴニストになっている。

アメリカ食品医薬品局(FDA)では、アカンプリアがプラセボに比較して人体の血糖値を目覚しく下げることを示した最新報告書の臨床データを検証することにしているが、FDAは、以前に提出されたサノファ製薬のアメリカでの販売許可申請については却下している。

臨床実験では、毎日アコンプリアを摂取した患者が、最初の1年で平均14ポンド(約6Kg)、2年目で2.4ポンド(1Kg)減量に成功している。しかしながら、報告書によると、全体の15%以上の人が、吐き気や不安、頭痛、呼吸気道感染、うつなどの耐えられない副作用で使用を中断している。また、アコンプリア・ユーザーで精神障害リスクが2.7倍増加したとする研究も1件ある。

アコンプリアは、体内で自然生成されるエンドカナビノイドが神経細胞のCB1レセプターに結合するのを妨げて、食欲を低下させるように作用する。一方、カナビスのTHCは、通常、体内に摂取されるとエンドカナビノイドと同じようにCB1レセプターと結合して多幸感などの生理的反応を引き起こすが、臨床実験ではアコンプリアの影響でそうした効果も下がることが報告されている。

エンドカナビノイド・レセプター・システムは、体内の基本的な生理的機能の調整 に幅広く関与していると考えられている。そうした機能とすれば、食欲、体温、気分調整血圧骨の密度生殖、学習能力、運動神経 などがあり、一部の専門家の間からは、アコンプリアを長期にわたって摂取していると、次第に顕著な副作用が表れる可能性があるのではないかとする声もあがっている。

コロラドスプリングスにあるコロラド大学のロバート・メラメード生理学教授は、「CB1レセプターには、通常、加齢やそれに伴う病気に関連しているフリー・ラジカルの悪影響を最小限にする防護機能の役割がありますが・・・アコンプリアのようなCB1アンタゴニストを長期間使用すると、病気に対抗する正常なCB1活動を妨げて、病気を促進させて災難をもたらしてしまう可能性もあります」 と語っている。

また、臨床前実験では、生まれたばかりのマウスにリモナバントを注射すると、食べることを拒否 して、しばしば生後数日で死んでしまうことが報告されている。生まれながらCB1レセプターのないノックアウトマウスでも、認識衰退、痛覚鈍麻、自発運動低下、といった数々の健康障害 が発生し、健康なマウスに比較して死亡率が高い。

さらに、別の1件の事例研究では、毎日使っていたアコンプリアがトリガーとなって、病歴や前兆のなかった人に多発性硬化症の神経症状を引き起こしたという報告もされている。

サノファ製薬の広報官によれば、FDAでは4月26日までに決定する予定になっていると言う。サノファ・アベンティスは、製薬会社としては世界第3位の規模を持っている。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

エンドカナビノイド・レセプター・システム

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7125


●サンディエゴ郡政当局、高裁の215条例判決を控訴
2006年12月14日 - アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ発

サンディエゴ郡政執行官当局は、今週、
カリフォルニア州の医療カナビス法 に関する高等裁判所の判決に対して、4-1の票決で控訴して争うことを決定した。

郡当局側は、医療カナビス215州条例と州の医療カナビスカード・プログラムが連邦の規制薬物法のオーバーライドで無効になると訴えていたが、先週、高等裁判所のウイリアム・ネッビト裁判官が郡の訴えを退けていた。

ネビット裁判官は、決定書 の中で、10年の歴史のある州の 医療カナビス法 が、連邦法を犯すことを要求しているわけではないので合法だと言明し、また、3年まえに制定された 医療IDカードシステム の原告側の異義申し立てに対しても、「カナビスに関連した一部の活動に対して逮捕や起訴をしないとカリフォルニア州が認定した者を証明する目的でIDカードを郡に発行するように求めでも、連邦法との間に『積極的な衝突』をつくり出すわけではない」 として却下している。

サンディエゴ郡政執行官当局は、火曜日、カリフォルニア州医療カナビス法がドラッグの乱用を促進しており、連邦法によって無効になるべきだと考えるかどうかを非公開票決で決定することを明らかにしていた。今回の決定に従って、できるだけ早くカリフォルニア州第4上訴審に訴状を提出したいとしている。

これに対して、NORMLのアレン・ピエール事務局長は、郡当局側の決定を強く非難している。

「この控訴は、政治家が法の曖昧な部分を明確にすることを求めたものではありません。郡政執行官たちは医療カナビスの使用そのものに反対しているのです。カリフォルニアの法律顧問事務所や州の法務長官などの法の専門家に加えて、高等裁判所の裁判官までもが、カリフォルニア州においては医師の監督下でカナビスを医療利用することは合法であると認めているのです。この件で控訴するという郡当局の決定は、税金の膨大な無駄使いであるばかりか、有権者に対する侮辱です。」

2月にサンディエゴ当局がおこした最初の訴訟 では、サンベルナンド郡とメルセド郡も加わり、州のIDカードプログラムを実施する替わりに、カリフォルニア州とサンディエゴNORML支局を訴えていた。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500 or Dale Gieringer, California NORML Coordinator, at (415) 563-5858.

Further discussion of this case, County of San Diego v. San Diego NORML and the State of California, is available on the December 13, 2006 edition of NORML's daily AudioStash at: http://www.normlaudiostash.com

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7126