Weekly News

2006年10月5日


カナビス・スプレーの臨床試験、痛み・けいれん・失禁の軽減を確認
カリフォルニア、医療カナビス患者の費用の一部還付が決定
ノースカロライナ州、ヘンプ栽培の経済性に関する研究委員会を設置


●カナビス・スプレーの臨床試験、痛み・けいれん・失禁の軽減を確認
2006年10月5日 - イギリス・ロンドン発

第22回ヨーロッパ議会・多発性硬化症に関する治療&研究委員会(ECTRIMS)、ならびに、第10回ヨーロッパ神経学連盟会議(EFNS)で発表された臨床研究データによると、多発性硬化症などの疾患に苦しむ患者にカナビス抽出液スプレーを投与すると、神経因性疼痛や 
痙攣 (けいれん)、失禁などの症状が緩和されることが示された。

EFNSカンファレンスの報告で、研究者たちは、長期間にわたってカナビス抽出液の使用を続けた被験者において、痛み、痙攣、膀胱機能障害などの軽減の他に、睡眠の質の向上が100週間以上維持されたと報告している。

調査は、患者507人に対して、天然のカナビス抽出液から製造された経口スプレー・サティベックス とプラセボの対照試験を終えてから、スプレーを継続使用することを望んだ人に対して非盲検臨床試験が延長して実施された。延長試験に参加した被験者でサティベックスに耐性が見られた人はいなかった。また、最も特徴的な副作用も、重篤度からすれば軽微あるいは穏やかな範囲内を越えることはなかった。

今週、ECTRIMSで発表された別の臨床データでも、サティベックスの投与によって、多発性硬化症に伴う痙攣に著しい緩和効果が見られ、さらに失禁や夜間頻尿の改善したと報告されている。

また、今年の始めに、国際泌尿婦人科ジャーナルに掲載された 臨床試験データ では、患者の膀胱失禁記録回数が、カナビス抽出液で38%、THCの経口投与で33%減少している。

サティベックスは、多発性硬化症にともなう神経障害などの患者に対して、これまでのところ、カナダで処方箋で利用できる ようになっている他、条件付きながら スペイン とイギリスでも認められている。 現在、医薬品認証を管理するヨーロッパとイギリスの関係当局では、イギリス、デンマーク、スペイン、オランダの各国から提出されたサティベックスの 認可申請 の審査に当たっている。

For more information, please visit: http://www.gwpharm.com/.

Additional information on cannabinoids and incontinence is available in NORML's new report, "Emerging Clinical Applications for Cannabis and Cannabinoids," available online at: http://www.norml.org//index.cfm?Group_ID=7002.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7066


●カリフォルニア、医療カナビス患者の費用の一部還付が決定
2006年10月5日 - アメリカ・カリフォルニア州サクラメント発

先週、カリフォルニア州保健サービス局長が発表したことろによると、州の公認した患者による医療カナビスの購入が正真正銘の医療支出に当たるとして、カリフォルニア医療援助プログラム(Medi-Cal)で支払金の一部を払い戻すことに決まった。

この訴えの原告は、ループスおよび反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)の症状緩和のために、医師の監督下で医療カナビスを利用してきたが、2003年と2004年に支払った医療カナビス購入代金が数千ドルになったとして、州の医療援助プログラムで還付するように求めていた。

州保健サービス局のサンドラ・シューリー局長名で出された書面では、「医療カナビスの利用は州法で認められた行為であり、1996年のコンパショネート法および医療カナビス法の一貫性を考慮して、医療カナビスが正真正銘の医療支出であると認めることになった」 として、原告が支払った費用の還付に応ずることに決定したと書かれている。

この裁判では、
ドラッグ政策アライアンス (DPA)の法律事務所が、訴訟の支援を担当してきた。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500

or visit: http://www.drugpolicy.org/news/092906mmj.cfm.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7067


●ノースカロライナ州、ヘンプ栽培の経済性に関する研究委員会を設置
2006年10月5日 - アメリカ・ノースカロライナ州ローリー発

ノースカロライナ州では、州内の農産物生産について研究する独立委員会の設置が法的に認められたにに伴って、州当局は、産業用ヘンプの経済性と環境優位性について評価することになった。

州議会によって制定された 
産業用ヘンプの有効利用に関する法律では、「産業用ヘンプが州にもたらす経済的可能性について研究し、ノースカロライナ州の農産物として栽培と製品化を認めることが適切で実現可能なのかを検討する」 委員会の設置を求めている。

委員会は、2007年の通常議会と環境再考委員会に対して、2006年12月1日までに研究結果と勧告を提出することになっている。

ノースダコタとケンタッキーで以前実施された州の委員会による結論では、どの地域の農家においても、ヘンプ栽培で 1エイカー当たり320〜600ドルの収益 が見込まれると推計している。

また、今週の始めには、カリフォリニアのアーノルド・シュワルツネッガー州知事(共和)が、議会側で可決した、農家の産業用ヘンプに栽培を州で認める法案に対して 拒否権を発動 している。その理由としては、連邦法が、産業用ヘンプとカナビスの栽培目的に何らの区別もしていないことを上げている。

2005年の連邦議会調査部の報告書 によると、「アメリカは、先進国では、産業用ヘンプを農作物として認めていない唯一の国になっている。」

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, or Paul Armentano, NORML Senior Policy Analyst, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7068