オーストラリア

大半のカナビス使用者がアルコールを併用

Source: The Age
Pub date: 22 Jan 2007
Subj: Austraria: Cannabis, alcohol 'most popular mix'
http://www.theage.com.au/news/National/
Cannabis-alcohol-most-popular-mix/
2007/01/22/1169330792602.html?blog_id=1616364


オーストラリアの学生や一般人の間では、カナビスとアルコールを組み合わせて使うのが最も一般的になっていることが研究で明かになった。

国立ドラッグ&アルコール研究センター(NDARC)の研究によると、カナビスを使っている学生の3分の2以上(68%)が同時にアルコールも使っており、24才以上の大人ではおよそ90%のカナビス・ユーザーが、カナビスを吸っているときにアルコールも飲んでいると報告している。

NDARCのポール・ディロン広報官は、ティーンエイジャーのアルコール無茶飲みが増えて社会的な問題になってきているのもかかわらず、アルコールとカナビスの併用問題が全くといってよいほど見過ごされていると言う。

「併用している人たちは、それぞれのドラッグのよいところが重なり合うという仮定のもとでミックスして使っているのですが、確実に言えることは、ドラッグをミックスして使うと何らか悪いことのリスクを高まるということだけですなのです。」

実際、アルコールとカナビスのミックス使用は、「グリーンアウト」 になりやすくなる。グリーンアウトとは、カナビスをオーバードーズして極端な吐き気をもようして、めまいで転倒したり、酔いつぶれたりすることを指している。

また、自動車の運転では、たとえ少量のミックスでも深刻な影響が出てくる。

ディロン広報官は、学校に広報活動に行くと、カナビスとアルコールを併用する場合には使う順序によって影響が違うのかよく質問されると言う。今回の研究では、この点についても調べている。

「どのように影響するかを全面的に予想することはできませんが、アルコールを飲んでからカナビスを吸うほうが、カナビスを吸ってからアルコールを飲むよりも悪い状態になる可能性が高くなります。もちろん、どのようなドラッグもやらないのがベストですが。」

研究では、学生の間ではその他のドラッグ同士のミックスも一般的になっていることが示されている。

例えば、アンフェタミン・ユーザーの67%がアルコール、37%がカナビス、21%がエクスタシーを組み合わせて使っている。また、幻覚剤のユーザーでは、53%がアルコール、34%がカナビス、18%がアンフェタミンかエクスタシーを、さらにエクスタシー・ユーザーでは、66%がアルコール、39%がカナビスを一緒に使っている。

この記事のベースになっているNDARCの プレス・リリース によれば、学校での調査では、カナビスで何らかの問題を起こした中では、アルコールとカナビスのミックス使用によるグリーンアウトが主要な問題の一つになっており、12%が経験している。

アルコールを先に飲んでからカナビスを使ったほうがグリーンアウトを起こしやすい理由については、血液中にアルコールがあるほうがTHCの吸収が速くなりオーバードーズしやすくなるからという説や、カナビスがアルコールの吸収を遅らせて、アルコールの影響の感じ方が鈍くなり、余計に飲むようになるからだといった説がある。

いずれにしても、カナビスとアルコールの併用順序の影響の違いについては、注意深いカナビス・ユーザーなら、アルコールを飲みながらタバコを吸うようにカナビスを使っているほうが、カナビスを吸いながらビールなどを味わう場合よりも潰れやすいことに気づいている。

実際、オランダのカナビス・カフェと呼ばれるコーヒショップでは、カナビスとビールを同時に販売しているが (2007年4月からはアルコールの同時販売がすべて禁止されることになっている)、カナビスを吸いながら合間にビールを味わうという人が大半なので、酒場のように酔いつぶれてたり、喧嘩をするような人は見かけない。

「グリーンアウト」 という用語は、一般には、カナビスを酔いつぶれて他の人の世話にならなければ自分の部屋に帰ることができないような状態をさして使われたりしている。

しかしもっと狭義に、吐いたり、立ちくらみで転倒したり、瞬間的に寝てしまったり、気を失ったりすることを指すこともある。これは、おそらく臨床的にアルコールの 「ブラックアウト」 と対比して使われて出したのではないかと思われる。

しかし、アルコールのブラックアウトは、その時の行動が記憶から失われて後から思い出せないような状態を指し、グリーンアウトの酔いつぶれた状態とは根本的に異なる。