連邦法では

州の医療カナビス法を無効にできない

アメリカ連邦最高裁判決

Source: Americans for Safe Access
Pub date: 1 Dec 2008
U.S. Supreme Court:
State Medical Marijuana Laws Not Preempted by Federal Law
http://www.safeaccessnow.org/article.php?id=5614


カリフォルニア州ガーデン・グローブ市は、市の抱える医療カナビス事件について連邦最高裁に訴えていたが、審査対象にはならないとして却下された。

この事件については、カリフォリニア州の控訴審が2007年11月に、「連邦のドラッグ法を執行することは、地元の市町村警察の仕事ではない」 として、州の医療カナビス法は連邦法によって邪魔されるものではないという判決を出していたが、ガーデン・グローブ市側がこの判断を不服として見直すように連邦最高裁判所に訴えていた。しかし、連邦最高裁は審議することを拒否したために、画期的な意味を持つ決定となった。

連邦最高裁の今回の決定について、医療カナビス推進グループは、地元警察の州法を守る義務を明確に示したもので巨大な勝利だと喝采を上げている。また、地元警察が州の医療カナビス法をより意欲的に遵守するようになれば、不必要な逮捕や押収の被害もずっと少なくなるばかりではなく、カリフォルニア州以外の医療カナビス法を持つ州にも大きな意味をもたらすはずだと評価している。

今回の裁判で弁護を務めたアメリカン・フォー・セーフアクセス(ASA)のジョー・エルフォード主席法律顧問は、「これで、州や地元の警察は単に連邦法があるからという理由だけで、医療カナビス患者を逮捕したり、カナビスを押収することができないことが確定したわけです」 と語っている。

「医療カナビス法は州民の圧倒的支持を得て成立したこともありますし、今回の判決で、市町村が将来再び膨大な時間とリソースを費やして州の医療カナビス法に立ち向かおうとしても二の足を踏まざるを得ない状況になったわけです。」

今回の事件の発端は、ガーデン・グローブに住む医療カナビス患者のフェリックス・カーさんが、2005年6月に交通違反を起こした際に、所持していた医療カナビスを地元警察に間違って押収されたことで始まった。カーさんは医療カナビス患者であることを示す正式の書類を見せたが、聞き入れられなかった。

その後、オレンジ郡の最高裁判所が、カーさんから間違って押収した8グラムの医療カナビスを返還するように命じたことで、カーさんの罪状は無効とされた。

だが、ガーデン・グローブ市の後ろ盾を得た警察は返還を拒否してカリフォルニア州第4地区控訴審に控訴した。控訴審は1年前に、41ページにおよぶ判決を下し警察側の主張を退けた、判決前にカリフォルニア州司法長官は「法定助言者」として、カーさんの医療カナビスを所持する権利を擁護する短い声明を発表していた。

警察はさらに上告したが、3月にカリフォルニア州最高裁は判決の見直しを拒否したために舞台は連邦裁判所に移っていた。しかし、今回の連邦最高裁の審査入り拒否で見直し議論には終止符が打たれた。

ASAのクリス・ハーマン広報官は、「州の医療カナビス法を守ることに抵抗する市町村警察の動機は時代遅れで、これからの連邦の医療カナビス政策にも逆行しています。ですが、今回の判決によって、医療カナビス法を持つ13州にもっと一貫した温情政策を確立するべき時が来ているというメッセージが連邦政府に届いたことは間違いありません」 と話している。

連邦最高裁の拒否決定:
http://AmericansForSafeAccess.org/downloads/Kha_USSC.pdf

カリフォルニア州第4地区控訴審の判決:
http://AmericansForSafeAccess.org/downloads/GardenGroveDecision.pdf

フェリックス・カーさんの医療カナビス返還事件:
http://AmericansForSafeAccess.org/article.php?id=4412