カナビスでは頭や首の癌にはならない
ニュージランドの研究
Source: New Zealand TV3
Pub date: 05 Mar 2008
Subj: Cannabis use not implicated in NZ study of head and neck cancers
http://drugpolicycentral.com/bot/article/tv3.co.nz11630.htm
頭頚部外科・耳鼻咽喉科ジャーナルの最新号に掲載されたニュージーランドの研究チームの報告によると、カナビスの喫煙では、頭部や頚部の癌のリスクが上昇しないことがわかった。
この研究では、頭部や頚部が癌になった75人を319人の対照群と比較してリクスを分析している。
その結果、カナビス喫煙と頭頚部癌のリスクは、カナビスを使ったことのない人のリスクと変わらないことが明らかになった。カナビス使用の多い3分の1(毎日ジョイント1本を8.3年間以上)のグループでも、タバコの喫煙、飲酒、低所得などの交錯因子を除去した後のリスクは統計的に顕著な程の違いは見られなかったと報告している。
これに対して、タバコとアルコールではリスクが大きく、それらの使用をやめた人に比較すると、タバコの場合で2.1倍、アルコールの場合は5.7倍になっている。
しかし、この研究を行ったオタゴ大学医学研究所の研究者たちは、さらに大規模な研究を繰り返して検証する必要があるとしている。
頭部および頚部の癌と診断される人の数は、世界で年間50万人以上で、癌の種類とすれば4番目に高くなっている。
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1ヶ月程前にもニュージーランドの研究チームが カナビスで肺癌のリスクが6倍になる という研究を発表している。この研究については、ロイターなどの大手マスコミが、「カナビスの肺癌リスクはタバコより大きい」 としてこぞって取り上げた。
今回の研究は、カナビスで癌にならないという内容なのでマスコミにはほとんど取り上げていないが、興味深いことに、この2つの研究は、ほぼ同じ研究チームがほぼ同じ人数を対象にして調べたものになっている。
前回の肺癌研究では、確かにヘビー・ユーザーに限定すれば肺癌のリスクが5.7倍 (ほとんどの人がタバコを併用している) になっているが、カナビスを吸った経験のある人 「全体」 でのリスクは、対照群に比較して統計的に目立って増えていないことがはっきり示されている。
実質的にはこれら2つの研究は、どちらもカナビスではほとんど癌にならないことが示されているわけだが、マスコミの扱いは全く異なっている。この事実は、特にカナビスのことになるとマスコミの報道がセンセーショナリズムに偏ることを端的に示していると言える。
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