Weekly News

2008年3月13日


ゼロ・トレランス法で酔っ払い運転は防止できない
ロードアイランド州、医療カナビス・コンパッション・センター法案
サンディエゴ郡、州の医療カナビス法の無効を控訴審に上訴



●ゼロ・トレランス法で酔っ払い運転は防止できない
2008年3月13日 - スエーデン・リンショーピン発

事故の分析と予防ジャーナル3月号に掲載されたデータによると、規制薬物やその不活性代謝物が血液または尿の中に少しでも検出される状態で運転することを法律で禁じても、酔っ払い運転による事故を防いだり、常習者による違反行動を減らすことができないことがわかった。

スエーデン法医学委員会の研究チームは、10年ほど前に制定された 
ゼロ・トレランス法 が、ドラッグ酔っ払い運転による逮捕と再逮捕数にどのように影響しているのかを4年間(2001〜2004) にわたって調べた。

その結果、酔っ払い運転で起訴された人の68%が再び逮捕されていた。研究者たちは、「再逮捕率が高いことから判断して、ゼロ・トレランス法では、支障状態で運転することを止めさせることができないことがわかった」 と報告している。

スエーデンの酔っ払い運転防止法では、必ずしも運転に支障が出ていたことを示す証拠がなくても、血液中に少しでも違法ドラッグが検出されれば刑事制裁の対象となる。また、尿中に不活性の代謝物がわずかでも検出されたドライバーは、酔っ払い運転ではなく、禁止薬物の使用の罪が科せられるようになっている。

以前に行われた研究では、ゼロ・トレランス法の開始によって、警察の提出する薬物分析の件数が 10倍も増加 したが、酔っ払い運転の事故を 減らすことにはつながっていない と報告している。スエーデンでは、酔っ払い運転で告発されたドライバーのおよそ60%がアンフェタミンで陽性になっているが、THCのみで陽性になった人は5%以下になっている。

ここ数年、アメリカの いくつかの州でも同様のゼロ・トレランス法が施行 されているが、この法律を巡っては、運転とは無関係の過去の行動による陽性反応で 「支障」 があると不適切に認定 されて、素面のドライバーが刑事罰を科される可能性があると 批判 されてきた。

NORLMのポール・アルメンターノ副事務局長は、「運転に支障のあるドライバーを路上から追い出すという目的には賛成ですが、アルコールであれ、医薬品であれ、あるいは違法ドラッグであれ、いずれにしてもゼロ・トレランス法は不適切で論理的ではなく、ドラッグの影響下で運転すること止めさせることには何ら寄与していないのです」 と語っている。

「こうした法律は複雑な社会問題には柔軟に対処できていないばかりではなく、交通の安全のための法律が、違法ドラッグのユーザーを捕まえるために使われるといった本末転倒な役割も果しているのです。」

For more information, please contact Paul Armentanio, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, "High re-arrest rates among drug-impaired drivers despite zero-tolerance legislation," appears in Accident Analysis and Prevention. Additional information regarding marijuana use and on-road accident risk is available in the NORML report "Cannabis and Driving: A Scientific and Rational Review," available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7459.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7552


●ロードアイランド州、医療カナビス・コンパッション・センター法案
2008年3月13日 - アメリカ・ロードアイランド州プロビデンス発

ロードアイランドでは、州が認定した患者に医療カナビスを提供することのできる非営利機関の設立を認める法案が検討されている。こうした法案が提出されたのはアメリカでは初めてのことになる。

下院7888号法案 と上院2693号法案は、州が非営利組織にライセンスを発行して、栽培した医療カナビスを認定患者に販売することを許可する内容になっている。

法案には、「この条項のもとで登録されたコンパッション・センターは、カナビスを入手・所持・栽培・製品化・配達・移動・輸送・供給することができる。また、登録された認定患者と、登録されたプライマリー・ケアギバーで患者から指定を受けたプライマリー・ケアギバーに対して、カナビス・関連する道具・教育用の資料を販売することができる」 と書かれている。

州法 では、認定患者あるいは指定を受けたプライマリー・ケアギバーは、医療目的で2.5オンスまでのカナビスの所持と12本までの植物を栽培することが認められている。現在、州に登録されている患者とケアギバー数は、それぞれ360人と330人と言われている。

今回の上下両院の法案が成立すれば、登録患者とケアギバーはカナビスの非営利取引に関与できるように現行の州法を修正することも盛り込まれている。さらに、ロードアイランド州の住民が、隣接するマサチューセッツ州とコネチカット州の医師からカナビス治療の推薦を受けることも可能になっている。

アメリカでは、ロードアイランド州を含めて、12州 が医師の監督下で医療カナビスを使用することを認めている。

For more information, please contact Allen St. Pierre, NORML Executive Director, at (202) 483-5500
or visit the Rhode Island Patient Advocacy Coalition at: http://www.ripatients.org.

Additional information on HB 7888 and SB 2693 is available from NORML’s "Take Action" Center at: http://capwiz.com/norml2/issues/alert/?alertid=11125296.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7553


●サンディエゴ郡、州の医療カナビス法の無効を控訴審に上訴
2008年3月13日 - アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ発

今週、サンディエゴとサンバーナーディノの郡当局が、カリフォルニア州の医療カナビス法を支持した 
高裁の2006年の判決 を無効とするように求めた訴訟概要書をカリフォルニア州第4地区控訴審に提出した。

郡側は、「州の医療カナビス法に従うように要求されれば、悪影響を受けることになる」 という主張を展開している。

カリフォルニア州法 では、郡の保健当局は、医療カナビス認定患者の求めに応じてIDカードを発行しなければならないようになっているが、両郡の当局は、数年前から、連邦法に違反することになるという理由で発行を拒否している。

サンディエゴ高裁は、2006年に、州のIDカード・プログラムが連邦法との間に 『積極的な衝突』 を作り出しているわけではないとして、郡側の主張を退ける 判決 を下している。

この訴訟の口頭弁論は、今年の後半に開かれる見込みになっている。

訴訟名は、サンディエゴ郡vsサンディエゴNORLM。

For more information, please contact Keith Stroup, NORML Legal Counsel, at (202) 483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7554