Weekly News

2008年4月3日


HIV患者、医療カナビスの必要性の弁護で無罪、テキサス州で初めて
バーモント州最高裁、ペリコプター低空捜査には事前の捜査令状が必要
ロスアンゼルス市議会、DEAはディスペンサリーの管理を市に任せよ



●HIV患者、医療カナビスの必要性の弁護で無罪、テキサス州で初めて
2008年4月3日 - アメリカ・テキサス州アマリロ発

カナビスの所持の罪に問われた男性に対するテキサス州の裁判で、
NORMLの法務委員会 のメンバーでもあるジェフ・ブラックバーン弁護士が、医療の必要性の弁護を掲げて無罪を勝ち取ることに成功した。

被告人であるティム・ステーブンスさん(53)は、4グラム以下のカナビス所持でアマリロ警察に逮捕されるまで法的な問題を起こしたことはなかった。HIV陽性患者で、抗ウイルス剤の他にもカナビスを使っていた。

この日の弁護には、ニューメキシコ州保健局感染症部で医療ディレクターを務めるステーブ・ジェニソン医師が証言に立ち、ニューメキシコ州の医療カナビス・プログラムで、特に従来の医療では効果の上がらなかったHIVやエイズ、癌にともなう吐き気や周期的な嘔吐などの深刻な症状の治療に成功したことを詳細に述べた。

この時の模様についてブラックバーン弁護士は、「ジェニソン医師の証言は強烈な印象を与えるものでした。この証言で弁護のすべてが確固たるものになりました…… これで、陪審人たちに医療の必要性がはっきりと伝わって、無罪評決を出すことに迷いがなくなったに違いありません」 と語っている。

「私たち弁護側は、カナビスの医療的な恩恵について非常に広範なプレゼンを準備してきました。これまでに評価の定まった科学研究や応用法をもとにしたものですが、どれもカナビスの喫煙によって明確な効果のあることを示すものです。」

陪審が全会一致で「無罪」評決を決めるのにかかった時間は、たった11分だった。この評決について、スコット・ブルムレー郡検事は、「意外で残念だ…… 陪審の評決は尊重しますが…… だからといって私も同じ考えだというわけではない」 と話している。

ブラックバーン弁護士は、「ほとんどすべての州が、古くからのコモン・ローに同じような必要性の弁護を備えているので」、今回の勝利が他の州でも繰り返されることになるだろうと見ている。彼は、また、テキサス・イノセント・プロジェクト の主任法律顧問も務めており、無実の罪で有罪とされ投獄されている人を見つけ出して潔白を証明する活動も続けている。

For more information, please contact NORML Legal Director Keith Stroup at 202-483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7568


●バーモント州最高裁、ペリコプター低空捜査には事前の捜査令状が必要
2008年4月3日 - アメリカ・バーモント州モントピーリア発

バーモント州最高裁は、先週、警察が偵察のために私有地の上空で低空飛行するためには、事前に捜査令状を取得しておかなければならないとする 
判決 を下した。

この事件は、被告であるステファン・ブライアント(57)さんが、私有地に森林管理当局の事務官が訪れた際に 「パラノイド」 になったために、バーモント州警察がカナビス栽培を疑って上空から捜査したことから始まった。

金曜日に行われた裁判の意見陳述によれば、2003年8月7日、州警察と国家警備隊のパイロットがヘリコプターでブライアンさんの私有地の上空約30メートルを15〜30分にわたってホバーリングして、2箇所のカナビス栽培現場を見つけた後、連絡を受けた警察が捜査令状を請求・取得して45本のカナビスを押収した。

ブライアントさんはカナビス栽培の重罪として起訴されたが、最高裁判所は、バーモント州民のピライバシー権は家の上空にも及ぶとして検察側の主張を退けた。

建設業者であるブライアントさんは、2005年の裁判では、1970年代に建設現場の事故の怪我が原因で痛みに苦しみ、それを緩和するためにカナビスを使っていたと証言している。彼の住んでいる土地はゴーシェン地方の人里離れた山林にあるために、アメリカ森林管理道路のロックゲートを通らなければ到達できない。

評決は4対1で、裁判長は、ヘリコプターの飛行が低空過ぎると指摘して次のように判決を書いている。

「上空を飛行したのは、カナビスの識別訓練を受けたかつての警察官たちであり、犯罪の証拠を白鍵する目的のためだけに私有の居住地の上空を違法に低空飛行したもので、憲法で禁じられた令状なしの地上レベルの侵入に相当する。……丘の中腹にある家の30メートル足らずの上空を30分以上にわたって飛行した警察の行動は、私有地に対する合理性のない侵入行為で、憲法で保証された権利を踏みにじるものである。」

バライアントさんの弁護を務めたウイリアム・ネルソン弁護士は、「侵入が自動車だったかペリコプターだったかという問題ではないのです。バーモント州民は、自宅であろうと裏庭であろうと自分の私有地に州政府が勝手に侵入してこないことを要求する権利があるのです」 と語っている。

For more information, contact NORML Legal Director Keith Stroup at 202-483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7569


●ロスアンゼルス市議会、DEAはディスペンサリーの管理を市に任せよ
2008年4月3日 - アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス発

ロスアンゼルス市議会は、水曜日、9対1で 
SJR20決議案 を可決した。この決議案は、カリフォルニア州議会に対して 「すべての連邦当局が、医療カナビス・ディスペンサリーやコレクティブにドラッグ法を執行する際には,カリフォルニア州法と一貫性のある方法で行う」 ように連邦政府に申し入れることを求めている。

今回の決議案で、市議会は、ディスペンサリーの規制・管理に関して連邦麻薬局(DEA)側は口を出さずに、市に任せるようにすべきだという立場を明確にしたことになる。

デニス・ジン市議は、投票後、「規制・管理方法が確立するまでは、あたらしいディスペンサリーを認めないモラトリアムを設定していますが、われわれの目標は、本当に必要な人だけが利用できるようにコントロールして、医療カナビスの販売ができるようにすることです」 と語っている。

しかし、DEA側は、連邦法でカナビスが禁じられていることを理由に、ディスペンサリーに対する強制捜査を繰り返している。

こうしたDEA側のスタンスに対して、ジャニス・ハーン市議は、「私たちは、ディペンサリーを規制・管理したいと思っていますし、そうするつもりです。DEAは、カリフォルニアを始めとするカナビスの温情使用を認めた州の意志を尊重すべきなのです」 と批判している。

For more information, contact NORML Executive Director Allen St. Pierre at 202-483-5500.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7570