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2008年5月22日


カナビスを使っていても交通事故での怪我の重傷度は増加しない
合成THC製剤で強迫神経症が著しく緩和
6月6日、第3回NORMLアスペン法学セミナー開催



●カナビスを使っていても交通事故での怪我の重傷度は増加しない
2008年5月22日 - オランダ・ハーグ発

交通外傷と予防ジャーナルの最新号に掲載されたデータによると、カナビスなどの精神活性薬物を使用していても、自動車衝突事故での怪我の重傷度は増加しないことが分かった。

オランダ法医科学研究所とユトレヒト大学の研究チームは、自動車衝突事故に遭遇して地域のトラウマ・センターに収容されたドライバーを対象にドラッグ使用と怪我の重傷度との関係を調べた。その結果、血液中のドラッグまたはアルコールに陽性反応を示した人、あるいは尿テストでドラッグの代謝物が検知された人では、陰性の人に比較して特に怪我の重傷度が増える傾向は見られないないことが示された。

研究者たちはこの研究の目的について、「アルコールやドラッグの乱用が自動車の運転に影響することについては多くの証拠が示されているが、そうした精神活性薬物の使用が怪我の深刻さとどう関係しているかについてはまだ検証されないままになっている」 ことを理由に上げている。

「今回の検証では、アルコールやドラッグなどの精神活性物質の使用と怪我の重傷度の間には何の関連も見られなかった。……事故直前の使用状態を正確に知るためには対象ドライバーの血液サンプルが必要であるが、その点で今回は必ずしも充分とは言えず、結果を確かなものにするためには、さらなる正確なサンプルによる調査を実施し、さまざまなドラッグごとに怪我の重傷度との関係を調べることが望まれる。」

交通衝突事故のデータを分析したこれまでの研究では、事故直前の酔いの状態を示す血中THC濃度が目立って高いドライバーの場合には、THC陰性のドライバーに比較して 
衝突事故を起こすリスクも高くなる ことが示されている。

これに対して、尿テストでTHCの代謝物に陽性になった場合は、時期の特定ができない過去にカナビスを使っていたことを示しているだけで、必ずしも、事故当時に酔って リスクが高くなっていたことを示しているわけではない

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the study, “The relation between the use of psychoactive substances and the severity of the injury in a group of crash-involved drivers admitted to a regional trauma center,” appears in the journal Traffic Injury Prevention.

Additional information regarding marijuana use and on-road accident risk is available in the NORML report "Cannabis and Driving: A Scientific and Rational Review," available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7459.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7610


●合成THC製剤で強迫神経症が著しく緩和
2008年5月22日 - ドイツ・ベルリン発

アメリカ精神医学ジャーナルの4月号に掲載された2件のケーススダディによると、
合成THCカプセル (ドロナビノール)の経口投与で、治療の困難な強迫神経症(OCD)患者の症状が軽減されることが示された。

ベルリン医科大学精神治療医学部の研究者たちは、2人の強迫神経症患者に経口THCを与えて治療を試みた結果を報告している。

一人は38才の女性で、THCを1日3回与えたところ10日以内で症状が著しく減り、もう一人の36才の男性では、1日2回の処方で2週間以内に著しい改善が見られた。

いずれの患者でも、THCによる身体および精神への副作用は何も起こらなかった。また、THCを試みる以前は、二人とも標準的な治療法では効果が見られなかった。

For more information, please contact Paul Armentano, NORML Deputy Director, at: paul@norml.org.

Full text of the case study, “Improvement in refractory obsessive compulsive disorder with dronabinol,” appears online in the American Journal of Psychiatry at: http://ajp.psychiatryonline.org/cgi/content/full/165/4/536.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7611


●6月6日、第3回NORMLアスペン法学セミナー開催
2008年5月22日 - アメリカ・ワシントンDC発

6月6日(金)と7日(土)に毎年恒例になった 
NORMLアスペン法学セミナー が開催される。会場は、アメリカでも最もカナビス・フレンドリーな都市の一つとして知られるアスペンの中心街にある ガント・ホテル で、今回で3回目になる。対象は、刑事事件弁護士や一般に人たちで、まだ参加登録を受け付けている。

今年のセミナーの講演者には、次期アメリカ刑事弁護士協会の会長に決まっている ジョン・ウェスリー・ホール、MSNBCテレビの法律解説者で人気サイトのTalkLeft.comのホストとしても知られる ジェラリン・メリット、元アメリカ刑事弁護士協会の会長で故ハンター・トンプソンの法律顧問を務めた ジェラルド・ゴールドスタイン、NORML副事務局長の ポール・アルメンターノ、受刑者の権利に関する雑誌としてはアメリカで最も古い歴史を持つプリズン・リーガル・ニュースの編集者で共同設立者でもある ポール・ライト、をはじめとする各氏が名を連ねている。

今年のセミナーのソシャール・イベントとしては、オープニング・ナイト・レセプション、アスペンのキャシュ・キャシュの有名シェフ、クリス・ランター によるベネフィット・ディナー、最終日午後には、ハンター・トンプソンが晩年を過ごしたウッデー・クリークの自宅にある伝説のフクロウ・ファームでの野外パーティが予定されている。

NORMLの設立者で法律顧問を務めるキース・ストロープ氏は、「年に1回ですが、弁護士や一般の人たちを対象にこのような法学セミナーを開催できることをとても誇りに思っています。このめったにない機会を生かして、親密な環境の中で、NORMLのスタッフやアメリカでもトップクラスのカナビス弁護士たち、さらに有名な活動家たちと一緒にユニークなハイを味わっていただきたいと思っています」 と語っている。

Conference agenda and registration information (members of the general public may sign up at a reduced rate) for the 2008 Aspen Legal Seminar is now available online at: http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=6823.

Source:  http://www.norml.org/index.cfm?Group_ID=7612