タバコをミックスしたジョイントでは

煙りの中のTHCの量が増える

Source:NORML's Daily Audio Stash
Pub date: 5, Mar 2009
Mixing tobacco and cannabis increases THC vaporization in tests
http://stash.norml.org/
mixing-tobacco-and-cannabis-increases-thc-vaporization-in-tests/


最近ではいろいろな意味で医療カナビスが注目を集めているが、その一つとしてどのように摂取するかという問題がある。カナビスの摂取法にはさまざまな方法が使われているが、最も広く行われている喫煙法は、発がん性物質を含む副産物を多量に生成するので必ずしも好ましいとはいえないという問題点を抱えている。

リクレーショナル用途でカナビスを吸っている人の間では、カナビスに市販のタバコをミックスしてジョイントを作るることがよく行われている。そうすると、カナビスだけ作った場合よりもタバコのせいで火が消えにくくなり、その分だけ節約できると考えられている。医療カナビス・ユーザーではそれほど多くはないが、やはり同じように考える人もいる。

今回の研究 では、カナビスにタバコをミックスすると、カナビスが放出するTHC、カナビゲロール(CBG)、カナビノール(CBN)の量や割合にどのような影響を与えるのかを調べている。

小型の喫煙装置を使って、ミックスするタバコの量をさまざまに変化させて実験を行った。発生した煙を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて、ジョイント毎のTHC、CBG、CBNの発生量を量を測定した。

その結果、100%カナビスのみのジョイントは、1グラム当たりのTHC発生量が約33mgだったが、25%カナビスでは約60mgで、タバコがTHCの発生量を増加させていることが明かになった。このことは、タバコがカナビスの気化効率を45%も上昇させることを示している。

Cannabis Smoke Condensate II: Influence of Tobacco on Tetrahydrocannabinol Levels   Van der Kooy, F.1; Pomahacova, B.1; Verpoorte, R.1, Inhalation Toxicology, Volume 21, Number 2, February 2009 , pp. 87-90(4)

今回の論文は、2009年2月に発表されたものだが、すでに2008年10月にはライデン大学の同じ研究者たちによる同じ研究が発表されている。

オランダでは、2008年7月からカフェなどでのタバコの喫煙が禁止され、それに従って,コーヒーショップのお客さんもタバコをミックスしたジョイントは吸えなくなった。

当初は、お客さんもすぐにピュア・ジョイントに慣れるだろうとも言われていたが、実際にはミックス・ジョイント離れはスムーズにいっていない。この原因については、ミックス・ジョイントでニコチン依存になっているためだという見方もあるが、実際にはTHC効率が良いことが最も大きな原因なのかもしれない。