スペイン・バレアレス諸島州

医療カナビスの処方を正式に認める


Source: IACM
Pub date: 12 April 2009
Spain: Mallorca, cannabis for therapeutic purposes.
http://www.cannabis-med.org/english/bulletin/ww_en_db_cannabis_artikel.php?id=293#1


スペインのマヨルカ島を中心とするバレアレス諸島州では、治療目的でカナビスを患者に処方できることになった。

バレアレス地方自治政府は、4月7日、医療カナビスを処方できるようにする議案を圧倒的多数で認める票決を下した。この決定は、スペインの他の地域で実施されているパイロット・プロジェクトの結果を正式に認めたもので、スペインでは最初の自治体となった。

地方自治政府のこうした決定は、スペインの中央政府が、健康システムの問題は地方自治体の裁量に委ねる法律をつくったことで可能になっている。

(Source: mallorazeitung.es of 9 April 2009)

バレアレス諸島は、スペインの東側海沿岸から200キロほど離れたマヨルカ、メノルカ、イビサ、フォルメンテラ、カプレラの5つの島からなる地中海の群島で、全体で一つの地方自治州になっている。首都はパルマ・デ・マヨルカ。

スペインの医療カナビス・パイロット・プロジェクトは2005年3月に開始されている。プロジェクトの中心は、バルセロナのあるカタロニア州で、バレアレスとの関係も強い。

パイロット・プロジェクトでは、当初、エイズ患者の食欲不振、癌の化学治療にともなう吐き気、他の治療では効果が得られない恒常的な痛み(偏頭痛も含む)、多発性硬化症による筋肉萎縮の4種類が対象になっている。しかし処方はカナビスをカプセルまたは注入することが前提とされており、喫煙は除外されている。

地方政府が医療カナビスを正式に認めたには今回が初めてのようだが、パイロット・プロジェクトの開始からこれほど時間がかかったのは、喫煙問題や、当初無視されていたGW製薬のサティベックスの巻き返しなどがからんでいるからかもしれない。また、医療カナビスの供給をどのように行うかという問題もあるが、詳しいことは情報不足でわからない。

スペイン健康相、医師のカナビス処方を認める (2005.2.6)