カリフォルニア州サンディエゴ郡

ついに医療カナビスIDカード発行へ

Source: San Diego, California News Stationl
Pub date: Jul 07, 2009 Updated: Jul 22, 2009
San Diego Now Issuing Medical Marijuana ID Cards
http://www.cbs8.com/Global/story.asp?S=10652388

カリフォルニア州では1996年に医療カナビス215条例が成立し、医師の推薦を受けた患者が医療的にカナビスを使うことが合法化されたが、当初は、認定患者であることを示す方法が統一されていなかったために混乱が起きていた。

それを解決するために、州は2004年に医療カナビス患者を認定するIDカードを発行することを決定し、各郡に対してIDカードの発行を義務付けた。

だが、それを不服とするサンディエゴ郡とサンバーナディーノ郡の郡執政部は2006年1月に、連邦の規制薬物法がいかなるカナビスの使用を禁じているので、州の医療カナビス法は無効で発行義務はないとする訴えを起した。

同年12月、カリフォルニア州高等裁判所は、州の医療カナビス法が連邦法を犯すことを要求しているわけでもなく、カリフォルニア州が認定した者を証明する目的でIDカードを郡に発行するように求めても、連邦法との間に『積極的な衝突』をつくり出すわけではない、として却下した。

しかし、この裁決に対してもサンディエゴとサンバーナーディノの郡当局は2008年3月に、高裁の2006年の判決を無効とするように求めた訴訟概要書をカリフォルニア州第4地区控訴審に提出した。

これも却下されると最後には連邦最高裁にまで訴えたが、今年の5月に連邦最高裁は審査対象にはならないとして却下し、3年にも及ぶ法廷での争いはサンディエゴ側の完全敗北で終止符が打たれた。


カリフォルニアのサンディエゴ郡では医療カナビスIDカードの発行をめぐって長い法廷闘争が続いていたが、医療カナビス患者はやっとIDカードを手にすることができるようになった。

慢性的な背中の痛みに苦しんできたジョルダン・ジャービス氏は、従来の処方鎮痛薬をやめて医療カナビスを使うようになった。

「寝たきりの生活でしたが、医療カナビスによって起き上がっていろいろなことができるようになりました。再び社会生活を送れるようになったのです」 と言う。

カナビスが役立つことがわかって、彼は他の人たちを助けるために自分の町に医療カナビス・ディスペンサリーを開くことを考えるようになった。

「非常にまっとうなビジネスです。他のビジネスと何ら変わりはありません。」

今では、郡の医療福祉サービス局に必要な医療関係書類を提出すれば、医療カナビスIDカードを入手できるようになった。

郡当局はずっと法廷で抵抗してきたが、この5月に連邦最高裁での審査を拒まれ完全に行きずまった。

「今ではIDカードを手にすることができるようになって、警察からも嫌がらせを受けずに済むようになりました。」

サンデエゴ東部カーニーメサにあるジャービス氏のトップ・クオリティ・コレクティブは、次のステップに向かって挑戦を始めている。

「これは画期的なことです」

カナビスで痛みを癒しているお客さんたちにとっても、長い間待ち望んできた時がやっとおとずれた。

6月23日に行われた郡執行官会議では、ついに5人の執行官がそろって賛成票を投じでIDカードの発行が正式にきまった。発行費用は年間166ドルで、66ドルは州に収められるが100ドルが郡に収入になる。

San Diego County Approves Medical Marijuana ID Cards  Youtube
County of San Diego: MMIC How to Apply

カリフォルニア、郡執政部が州の医療マリファナ法に無益な挑戦 (2006.1.26)
カリフォルニア高裁、サンディエゴの医療カナビス法挑戦を正式に却下 (2006.12.7)
サンディエゴ郡政当局、高裁の215条例判決を控訴 (2006.12.14)
サンディエゴ郡、州の医療カナビス法の無効を控訴審に上訴 (2008.3.13)

裁判の結末については、すでに2008年12月に、カリフォルニア州 ガーデン・グローブの事件 でも連邦最高裁が審査対象にはならないとして却下していたので予想されていた。

これら連邦最高裁の決定で重要なことは、連邦法では州の医療カナビス法を無効にできないと連邦最高裁が正式に認めたことで、今後は、連邦法で禁止されているから州が医療カナビスを合法化しても無効になるというロジックが通用しなくなった点にある。

現在、嗜好用途の合法化を提案している アミアーノ法案 に対する議論が盛んに行われているが、この点では確かに、嗜好用途のカナビスの合法化にもそのままあてはまるかどうかという疑問はある。だが実際のところ、現在では、連邦法の禁止を理由に合法化に反対する主張はほとんで出てこなくなっている。

基本的に連邦法は州を越えた取引について取り締まることが前提になっているので州内の取引については口出ししないことになっている。したがって、嗜好用途が州で合法化されても、閉鎖された非営利の カナビス・ソーシャル・クラブ のようなやり方で、医療カナビス患者と嗜好用途の人が共同で栽培して利用し合うようにすれば問題ないことになる…?