桂川さんへの手紙



桂川直文様

拝啓

お元気でしょうか? 安曇野はすっかり冬です。昨日、初雪が降りました。安曇野で迎える冬は初めてですが、聞くと例年より遅いそうですね。

大岡村の道の駅の新そば、過日初めて食って来ました。なるほど、桂川さんが遠方からの客を連れて訪ねるだけあって、コシのしっかりした風味の高い蕎麦でした。汁も蕎麦湯もうまかったです。

出てきたらぜひ行きましょう。帰りは大町の方に回って葛温泉ですね。

俺の方は12月3日にようやく裁判が終わり、求刑4年に対して、判決は懲役3年、執行猶予5年というものでした。
保釈で出たのは9月20日でしたが、保釈条件に桂川さんに連絡を取らないこと、というのがあったので手紙を出せませんでした。無沙汰してすいません。

そういえば、拘留中、調べ担当の押木と倉橋から「桂川が、白坂は麻の復権をめざす会の四天王の一人だって言ってるよ。あんた、弟の奥さんから500万円の大麻解放活動資金もらって活動してたんだろ?」と、突っ込まれました。

桂川さん、お褒め頂くのはありがたいのですが、できれば外にいるとき、違う人に向かって褒めてほしいです。冷や汗かきました。

大麻取締法は憲法違反である、嗜好目的でも医療目的でも認められるべきである、医療目的で認めないのは生存権の侵害である、という主張で裁判をし、最終意見陳述でも「大麻を必要としている病人が手に入れることのできない現状を司法としてどうお考えか、お話をぜひ伺いたい」と述べたのですが、判決では全くそのことに触れず、「憲法違反との主張は容れることができない」という一言でした。ま、予想通りです。15日に控訴しました。

前田さんは最高裁までやると意気軒昂で、「医療大麻を考える会」の掲示板に盛んに書き込みされています。桂川さんの名前も出てきます。

麻生さん率いるカンナビストの掲示板にも桂川さんや前田さんの名前が散見されます。そのようなインターネット上の情報は届いているでしょうか? 

枚数が大量なので、公判資料として入れてもらえるよう金井塚先生に依頼しました。

桂川さんのサイト、「大麻を吸って新しい意識の扉を開こう」は以前の通りネットに公開中です。原稿を頂けば、全国の桂川ファンに向けて心境や声明、エッセイなど、発信できます。

桂川さんは最高裁まで戦うと聞きました。できれば波状攻撃的に俺も最高裁までやりたいな、と思っているところです。

布団と半纏と座布団の差し入れが届くと思います。一番いいものばかり選んで差し入れ屋に注文したものです。差し入れ人の名義は白坂になっていますが、前田さんが全額出して下さったものです。前田さんは保釈条件に桂川さんと連絡を取らないこと、というのがあるので。

お話したいことが山積みです。
早く安曇野に戻って下さいますように。

独房、寒くないですか? お体を大事になさって下さい。

また書きます。
まずは判決と控訴のご報告まで。

敬具

2003年12月17日

 

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