神話 3

カナビスには 医療的価値はない


The Lindesmith Center
Lynn Zimmer, John P. Morgan
http://www.druglibrary.org/schaffer/hemp/general/mjmyth/Exposing_03_1095.html


カナビスを医薬品として合法的に利用できるようにしようという運動が、THCを人為的に化学合成した薬品のほうが安全で効力も強いのでその必要はない、と攻撃を受けている。


事実
世界中で何千年にもわたり、人々はカナビスをさまざまな病気の治療に利用してきたが[10]、今日のアメリカではそのような利用は禁止されている。州によってはカナビスを医薬品として認める州法が可決されているところもあるが、連邦法はそれをオーバーライドするかたちで患者がカナビスを合法的に利用できないようにしている。

カナビスには、むかつきや嘔吐 [11]、緑内障の眼圧の低下 [12]、筋肉のけいれんや痙縮 [13] などに効果のあることが多数の研究によって明らかになっている。今日では、違法状態にかかわらず、多くの人がこうした病気以外にもさまざまな医療目的でカナビスを利用している [14]

癌などの化学療法を受けている患者では、むかつきを抑えるためにカナビスの喫煙が有効であることがわかっており、しばしば通常の処方医薬品よりもよく効く [15]。実際、癌専門医に対するアンケートでは、44%に医師が自分の癌患者にカナビスをすすめた経験があり、他の医師も合法ならそのようにするだろうと解答している [16]

また、何千人ものエイズ患者が病気やAZT薬療法の副作用で起こるむかつきや嘔吐の治療にカナビスを利用している。さらにカナビスには食欲増進作用があるので、HIVによる「消耗」を防ぎ、エイズ患者の体重を増やして生命を長らえるのに役立っている。

アメリカでは1989年に、化学合成したTHCカプセル(マリノール)が抗嘔吐剤として医薬品市場に登場した。この薬品には有用な部分もあるが、価格が高いことも含め重大な欠点もいくつか指適されている。実際、一日に5ミリグラムのマリノール・カプセルを3錠服用するとすれば、患者は年間5000ドル以上の費用を負担しなければならない。また、天然の喫煙用カナビスに比較すると、マリノールには次のような薬理的な欠点もある [17]

口径カプセル経由で運ばれるTHCは血液に浸透するのが遅く効果が分散していまうので集中して効かない。また、経口THCの循環は体内に長く留まるために活性成分の代謝も多くなり、そのぶん不快な精神作用も起きやすくなる。さらに、吐き気に苦しんでいる患者にとっては、カプセルを飲むこと自体が嘔吐を引き起こしてしまう。

結局、カナビスをそのまま吸ったほうがTHCの浸透も早く、一部の人では効果も強い。

医療カナビスが違法とされている状態が続いているのは、科学的な根拠からではなく政治的な思惑が原因になっている。1970年代には政府もカナビスの医療利用の可能性の研究を支援していたが [18]、その役割は今では、他の新しい研究を妨害してカナビスの法的状態の変更に対抗するための方便になってしまっている [20]