ベルギーもドイツも

コーヒーショップをオープンすべき

オランダ・マーストリヒト市長インタビュー


Source: Drug War Chronicle
Pub date: April 27, 2007
Belgium, Germany Need to Open Their Own Cannabis Coffee Shops
Says Dutch Mayor
http://stopthedrugwar.org/chronicle/483/
dutch_mayor_says_belgians_germans_need_own_coffee_shops


オランダの国境の都市マーストリヒトのゲルト・リールス市長は、流入する「ドラッグ・ツーリスト」を減らすために、隣接するベルギーとドイツに対して、自前のコーヒーショップを開設してカナビスの販売を管理するように求めた。また、市長は、カナビスの販売管理についてはヨーロッパ・レベルで取り組むべきで問題であると語っている。

「問題を解決する最良の方法は、ヨーロッパの政治指導者たちが一同に会して、カナビスの問題に耳を傾け、実際的な解決に向けて目を覚ますことなのです。」

ドイツとベルギー政府は、何年にもわたって、オランダにコーヒーショップがあるために、自国の若者たちがカナビスを買うために国境を越るようになってしまったと非難してきた。一方、オランダ側は、コーヒーショップを訪れる外国人が増えたために、街が混雑し犯罪が起きるようになったと訴え、オランダ政府もコーヒーショップから外国人を締め出すためにさまざまな方策を考えてきた。

オタンダ当局の見積では、年間に150万人のドラッグ・ツーリストがマーストリヒトを訪れていると言う。

リールス市長のEUX-TVインタビューは、ベルギーのフェルホフスタット首相がオランダのバルケネンド首相に宛てて怒りの書簡を送ったのに応えて行われた。書簡の中では、フェルホフスタット首相が、ベルギーの国境から歩いていける距離のところに、街中の一部のコーヒーショップを移転させようとしているマースリヒトの計画に異議を唱えている。

これに対して、リールス市長は、ベルギーではカナビスの3グラムまでの所持を非犯罪化しておきながら、供給に関しては何の手も打っておらず、ベルギー側にも問題があると指摘した上で、実際には、フェルホフスタット首相の苦情は、ベルギーの総選挙をまじかに控えて出てきたパフォーマンスなのではないかと話している。

「フェルホフスタット首相は、選挙キャンペーンで人々の関心を簡単に集めようするのではなく、まず第一に、私の提案と考え方を注意深く読むべきです。問題は、私が行っていることについて、彼には明確な考え方がない点なのです。」

「移転のことについては、私の方から話合いをするように彼を招待しています。われわれは、単にコーヒーショップを国境付近に移動しようとしているわけではないのです・・・コーヒーショップ周辺で起こっているさまざまな問題を克服して、管理できるようにしようとしているのです。」

ベルギーは、自分の国のカナビス・ユーザーは自国で扱うべきだ、リールス市長は言う。「彼がやっていることは、自分の国のユーザーをマーストリヒトに送り込んでいるだけです。これはフェアーではありません。」

「カナビスの使用を完全に禁止して闘っているのならまだわかりますが、そうしないのであれば、カナビスを売る自由を認めて管理する方法を採用すべきなのです。ですが実際には、ベルギーの人たちが起こしている問題もすべてマーストリヒト側で解決しようとしているわけで、彼が苦情を言う道理はありません。」

「彼らは、こちら側のコーヒーショップで少量のカナビスを買えるので、一緒にドラッグ問題まで輸出していると非難しています。ですが、正確には逆なのです。ベルギーやドイツの人たちは自分の国で買えないので、こちら側に来るしかなくなるように仕向て、問題をわれわれに押し付けているだけなのです。」

カナビスに厳しい姿勢を取っているヨーロッパ諸国の政府は、オランダがコーヒーショップを閉鎖して問題を解決すべきだと主張しているが、リールス市長は同意していない。「閉鎖することが解決になるのなら、最初からそうしています。」

「しかし、これはもう証明されていることですが、「ドラッグはダメゼッタイ」では、地下に潜らせるだけなのです。違法にすれば、むしろ問題はさらに大きくなってしまいます。私は、目を閉じてしまうよりも、自分の手で管理できるようにしておくほうがベターだと思っています。」

「新しい解決法に道を開かなければならないのです。なぜなら、現在、われわれは負けつつあり、犯罪者が巨大な勝利者になろうとしているからです。彼らは大金を手にしています。それを止めなければなりません。コーヒーショップを社会の一部として組み入れ、管理すべきなのです。そうすることで問題を解決することができるのです。」


Maastricht Mayor wants ‘coffeeshops’ in Germany, Belgium


Heideroosjes - Da's Toch Dope Man!
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6月に実施されたベルギーの総選挙では、フェルホフスタット首相の連立与党が大敗し政権を失っている。

新しく首相になるとみられているイヴ・ルテルムはフレミッシュ・キリスト教民主党(CD&V)の所属で、オランダのキリスト教民主党(CDA)と姉妹関係にある。オランダのバルケネンデ首相、ヒルシバリン法務大臣、さらにマースリヒトのリールス市長はともにCDAの所属で、お互いに近い関係にある。

フェルホフスタット前首相はオランダを欧州裁判所に訴えると息巻いていたが、今回の政権交代によって、話合いで決着が図られる公算が大きくなった。

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