ガイドライン意見募集の件で 投稿者:infinity 投稿日:2006/10/29(Sun) 08:45  No.1126   [返信]
総務省 平成18年10月25日公表総の報道資料
インターネット上の違法・有害情報へのプロバイダ等の自主的対応を支援する取組(以下「総務省公表の報道資料」とよぶ。)について
http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/061025_4.html

 今般、総務省公表の報道資料の内容を充分に理解する為には、いくつかの資料に目を通す必要があり、それらの資料を参照すると、現在、意見募集を行っているガイドライン案がそのまま採用された場合、同ガイドライン案、V第1の1(1)、V第1の2により、違法な情報の範囲として、U第1の2、具体的な例として

「次のすべてを満たす場合には、規制薬物の濫用の公然、あおり、又は唆し等の構成要件に該当する情報と判断することができる。
・ 「覚せい剤、大麻、MDMA」等の表現が記載されている場合
・ 「白い粉、S、エクスタシー」等一般的に規制薬物名として用いられている表現が記載されており、かつ、対象情報が掲載されている電子掲示板、ウェブサイト等に掲載されている他の情報(画像等による対象物の形状、使用方法、効用、品質、値段等対象物に関する説明等)から規制薬物であることが明らかである判断できる場合」(page16)

「【濫用の公然、あおり、又は唆しに該当する場合】
 次のような場合には、規制薬物の濫用を公然、あおり又は唆す行為に該当する情報と判断することができる。
・ 不特定又は多数の者が閲覧できる電子掲示板、ウェブサイト等に掲載
されている場合であって、例えば、
・ 規制薬物の使用方法、使用量、品質の見分け方、値段、注意点
〜中略〜
等、具体的に記載されている事項が、薬物犯罪を実行すること、あるいは、規制薬物を使用することの決意を生じさせるような、又は既に生じている決意を助長させるような刺激を与える行為であることが明らかである場合」(page16、17)

等が麻薬特例法13第9条及び覚せい剤取締法第20条の2、麻薬及び向精神薬取締法29条の2、大麻取締法第4条に違反する情報の対象となる旨が、ガイドラインにより
「インターネット上に掲載された情報の違法性の判断基準」(総務省公表の報道資料の2より)として明確化され定められます。
 また、「総務省公表の研究会最終報告書」第1に
「特定の情報の流通が法令に違反するか否か等の判断に関する指針が存在しない状況である。」(page2)
第3の(3)に
「インターネット上を流通する違法・有害情報に対するアクセスプロバイダや電子掲示板の管理者等による対応に限界があることから、違法・有害情報については、
発信側への対応(違法な情報の発信者の取締り等)、受信側の対応(受信者による情報のフィルタリング等)を組み合わせて対応することが必要不可欠である。」(page9)
第4の1(1)に
「電子掲示板の管理者等が、他人の掲載した違法な情報を放置した場合の刑事責任については、実行行為を作為(違法な情報が掲載されたディスクアレイの陳列)と捉えるか不作為(他人により掲載された違法な情報について送信防止措置を行わないこと)と捉えるか、正犯と構成するか従犯と構成するか等の法的構成に関する問題があり、これらの法的構成によって問題となる点も異なるものと考えられる。

この点、電子掲示板の管理者等について他人の掲載した違法な情報に関して刑事上の責任が肯定された裁判例は、いずれも電子掲示板の管理者等において違法な情報の流通について積極的な関与が認められる事案であり、単に違法な情報の存在を認識したが、これについて送信防止措置を行わず放置したことのみを理由として刑事上の責任が認められたものではないと解される。 」(page13、14)
第5 に
「違法な情報の例示及び判断基準を提示する]

等の記述があることから、今般策定のガイドライン(案)特定の情報の流通が法令に違反するか否か等の判断に関する指針とされ、発信者の取締り等に利用される可能性は充分に考えられます。
「最終報告書に寄せられた御意見とそれに対する研究会の考え方」では、 「第1 はじめに」に関するご意見No. 1 の意見に対する考え方として
「報告書案における違法な情報とは、情報の流通自体が違法なものを意味しており、現在も既に個別の法律により規定されているもので、広汎、恣意的なものであるとは考えておりません。 」(page1)
No. 3の意見に対する考え方として
「報告書案は、現行の法令においてその流通が違法とされていない情報を新たに規制することを提言したものではありません。」」(page2)

等と再三に亘って述べていますが、ガイドライン(案)U第1の2 薬物関連法規 [「覚せい剤、大麻、MDMA」等の表現、「白い粉、S、エクスタシー」等一般的に規制薬物名として用いられている表現自体を規制薬物の濫用の公然、あおり、又は唆し等の構成要件に該当する情報と判断することができる]と定める判断の基準となる典拠は一切示されておらず、また[具体的に記載されている事項が、薬物犯罪を実行すること、あるいは、規制薬物を使用することの決意を生じさせるような、又は既に生じている決意を助長させるような刺激を与える行為であることが明らかである場合]についても非常に曖昧で、広い範囲の表現が対象となり、憲法第21条、第23条に抵触するおそれがあります。また規制薬物の中には、大麻のように、現在、国際的に産業利用や医療使用の研究が進んでおり、規制のあり方自体を問い直す議論の真っ最中であるものも含まれること、薬物乱用防止教育には広く国民に正しい知識の啓蒙が必要不可欠であること、言論、表現の自由は可能な限り尊重されるべきである事等を鑑みれば、上で述べたような情報の規制のあり方は、科学と国家の持続的な発展、公共の福祉などに関する議論などに重大な障害をもたらすことが明白である為、これらの規制のあり方は、海外の事例の研究を含む非常に大きな再検討の必要性があります。

このガイドラインに関する意見提出期限は2006(平成18年)11月
18日(水)必着と緊急を要する為重複した内容を複数のページ、掲示板に書き込むことをお許しください。
意見募集詳細
「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン(案)」等に係る意見募集について
http://www.telesa.or.jp/consortium/pdf/Illegal_info_20061025_shiryou.pdf