控訴審公判第4回目傍聴記 投稿者:丹波童心 投稿日:2005/01/18(Tue) 00:21  No.158   [返信]
 地元関西を中心に全国から集まった支援者で、約40名の傍聴席は満席となり、中に入れない人が出る状態でした。

 10分ほど遅れて開廷したのですが、その待ち時間に丸井弁護士が検察官に対し、話しかけました。「証拠・証人の採用に不同意のみでは、大麻が有害・無害の実質的論議ができない」という趣旨の発言で、検察官の誠意の不足をたしなめる場面がありました。

 最初は丸井弁護士からです。
 そもそも大麻取締法の成立過程に疑問があり、米国の間違った思い込みで、戦後占領米軍の意向によって成立したこと。大麻栽培は産業として必要であり、有益であること。大麻取締法の成立以前の日本では産業として定着しており、大麻取締法(栽培の免許制)により職業選択の自由が奪われ、違憲である。
 大麻取締法で大麻に関する公告を禁止するのは、憲法で認められている思想表現の自由を侵している。
 国民の保健衛生の為とされているが、大麻取締法がそれらの保護法益と結びつかないこと、保健衛生の問題で言えば大麻はタバコなどより問題が小さいこと、それらの嗜好を制限するのは幸福追求権を侵害し違憲である。
 丸井弁護士自身が昭和61年に長野地裁伊那支部で行った当時の厚生省麻薬課長への証人尋間の公判資料などを論拠として、大麻取締法違憲論が述べられました。

 次は金井塚弁護士からです。
 検察側から大麻有害の根拠として提出されていた、以下4点の資料に対し具体的に多くの点に関して反論がありました。
 資料1は厚生労働省外郭団体、財団法人「麻薬・覚醒剤乱用防止センター」の薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの抜粋
 資料2は「薬物事件執務提要(改訂版)」最高裁判所事務総局刑事局監修、法曹会発行の352P〜403P抜粋である
 資料3は「薬物事犯に関する裁判例」警察庁生活安全局薬物対策課編で、昭和31年から平成9年までの大麻と覚醒剤事犯の判例集
 資料4は「欧米諸国における薬物解禁論の非論理性と危険性」警察学論集第50巻5号で香川県警察本部長の手になる
 これら4点の資料は、ある資料で肯定されたことが、別の資料では否定されたりと、資料間相互の整合性を欠いており、それでは、大麻の作用について正しく把握していることにはなりません。資料の矛盾点は指摘しきれないほどです。
 「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻に関する記述が、真実と大きくかけ離れた内容であることは皆様もご存知の通りです。

 弁護側弁論で終了し、被告人発言の機会はありませんでしたが、被告席の桂川さんは長期勾留にもかかわらず、健康そうに見えました。
 次期判決公判を3月11日にすると決めて、閉廷となりましたが、退廷する桂川さんに恒例の拍手は高く鳴り、裁判官からも検察官からも拍手に対してお咎めはありませんでした。もちろん私も力いっぱい手を叩きました。

 社会に対し大麻問題の顕在化を、運動の一手段と考えた桂川さんの、当局に対する挑発的な行動が、運動方針を異にする他の方々に迷惑を掛けたとの批判は、真摯に受け止めなければなりません。しかし、今、刑罰を恐れず真実を述べる桂川さんへの応援は、私達大麻の真実を知る者の責務であります。
 次期判決公判に、より多数の方々の傍聴をお願いします。