| 「ビールズがなんだあっ!ポール・マッカートニーがどうしたぁ!ニッポンをなめるんじゃねえよ、ええ!?」
「イ、イエス」
「たしかにやったんだな!」
「イ、イエス」
「よし、ここにサインしろ」
「イエス」
「よし」
(リーン)
「もしもし、あ、部長!いつもお世話になっております。は、もうすこし突っ込めばなんとか。 は? わかりました、3枚ですね。 いやぁ、もう政治犯に比べればチョロイもんですわ、ハハハ。ほんじゃ、失礼します」
「12万人の若者たちに申し訳ないと思わんのか!」
(バシッ!)
「イ、イエス」
「この寒空にみんな鼻水垂らして待ってんだぞ。なけなしの小遣いはたいて切符買った人たちもいるんだぞ。わかってんのか!」
「イ、イエス」
「よーし、ここにサインしろ。もう1枚、もう1枚!」
(リーン)
「はい、もしもし。あっ、どうも秋山先輩、ごぶさたしております。 2枚ですね、わかりました。 いやぁ、もう、イギリスじゃえらいかどうかしりませんが、大人しいもんすよ。ちょっとね、あたし、強く出過ぎたかなんて反省してるぐらいでして。それじゃ、ま、失礼します」
「まったく、いいか! ニッポンの歌うたいの沢田研二さんなんか、「僕はビートルズが来日した昭和41年にタイガースを結成したんです。あれから14年、やっとポールが見られると思って、最良のチケットを用意したと言うのに」と、あの沢田研二さんまでが言ってらっしゃるんだぞ、わかってんのか!」
(バシッ!)
「イ、イエス」
「日本をなめるのもいい加減にしろ!」
「き、菊池先輩、やめてください!イギリスと戦争するつもりですか!」
「そんなつもりはねえよ!」
「私にも1枚、お願いします」
「まかしとけ」
「おい!ここに3枚サインしろ。3枚だぞ」
(リーン)
「はい!ポール・マッカートニー取り調べ係の菊池だが?ああっ、これは北海道警の山本部長。 は? 28枚ですね、わかりました。 いやぁ、もうなんですかねえ、非常に友好的なムードで取り調べは進んでおります。どうも、失礼いたします!」 (80年1月29日放送) |