とどけ魂の叫び! 投稿者:天秤座 投稿日:2007/03/10(Sat) 12:16  No.2012   [返信]
(SE 拍手と町の音)

丸川

「え〜、このたび立候補いたしました丸川たかとしでございます」

やじ馬

「よっ、まってました!」

丸川

「今、この国は病んでいます」

やじ馬

「そうだ!」

丸川

「今、このままにしていたら、この国は大変な事になってしまいます。」

やじ馬

「その通りだ!」

丸川

「この国の人々は今何をすべきなのでしょうか?」

やじ馬

「教えてくれ!」

丸川

「正直、私にも分かりません!」

やじ馬

「じゃあ、言うな!!」

丸川

「そうです。だからわたしは今何をすべきか考えました」

やじ馬

「偉い!言ってみろ!」

丸川

「でも、サッパリ何も浮かびませんでした」

やじ馬

「バカか!」

丸川

「こんな事言うとなんなんですが、わたくし学がありません!」

やじ馬

「そんなん・・・俺だって、ないぞ」

丸川

「正直漢字は読めるんですが、書けと言われるとなんとなく頭には浮かぶのだけれども、書けません」

やじ馬

「分かるぞ!」

丸川

「とにかく、わたくしはこの国のために全力を尽くします」

やじ馬

「よく言った!」

丸川

「死ぬ覚悟です!」

やじ馬

「ホントに死ねんのか?おい!お前!」

丸川

「ただ、ただ・・・、実際死ねと言われたら死ねません」

やじ馬

「死ね!死ね!おら!死ね!おら!死ねるっつたろ、今!死ね!死ね、おら!死んでみろ!」

丸川

「正直、正直・・・ちょと聞いてください・・・正直、死ねなどと言われたら、かなりムカツキます。そいつの親にそのことを言います」

やじ馬

「親は今、関係ねぇだろ!」

丸川

「全力をもって戦います」

やじ馬

「上等だよ!やってやろうか!」

丸川

「いや・・・そう! 今、そう、この国は戦わなくてはなりません!」

やじ馬

「よく言った!」

丸川

「わたくし、死力を尽くします。死ぬ覚悟です!」

やじ馬

「死ねんのか?おい!じゃ、死んでみろ、お死ね、おら!死ね!」

丸川

「ただ、ただ・・・・聞いてください!実際死ねと言われたら死ねません!!」

やじ馬

「何だと!お前、大和魂ないのか!」

丸川

「・・・正直、正直」

やじ馬

「何だよ!」

丸川

「わたくしこの国の人間ではございません」

やじ馬

「何だと!」

丸川

「無国籍です!」

やじ馬

「そんな奴、選挙出れんのか? こらー! 何だ、お前は!!」

丸川

「無国籍な顔立ちをしていると友達から言われましたことがあります、ということを言いたいために今の言い回しをしました」

やじ馬

「友だちは大事だぞ!」

丸川

「えー、今考えると、友達だと思っていたそいつは友達ではありません」

やじ馬

「お前、友達もいないのかー!!」

丸川

「いや、だって、違います・・・。聞いてください、聞いてください・・・。だって陰口を言われたワケです。しかも私の好きな子の前で」

やじ馬

「おっ! その娘とどうしたの?」

丸川

「私は孤独です。男一人、死ぬ覚悟は出来ています!」

やじ馬

「死ねー! 死ねー!、おらー! よく言った! 死ねー! 死んでみろ、おら! 死んでいろ、おら!」

丸川

「はい・・・ただ、ちょっと・・・、ただ・・・、聞いてください!」

やじ馬

「何だ!」

丸川

「実際に死ねと言われたら!死ねません!」

やじ馬

「ふざけんな! ほら吹き! そこのほら吹きめ! お前、死ねるっつったろ!」

丸川

「だってだって、そうでしょう!みんなもそう思うよね〜。俺・・・僕は間違っていません!絶対間違っていません!」

やじ馬

「この嘘つきめ!死ね!」

丸川

「聞いてください! だから、ちょっと・・・。だから・・・、清き一票を! 清き一票を、どうか・・・どうか・・・、この丸川たかとしに下さい」

やじ馬

「よーし、わかったぁ」

丸川

「どうもありがとうございました」