フロッガーさん 投稿者:ダウ 投稿日:2008/09/25(Thu) 03:34  No.4007   [返信]
まずもって、医療カナビスとカナビノイド製剤をごっちゃまぜにしないでいただきたい。

「論文では仮説を単純化するためになるべく余計なファクターの無いカンナビノイド製剤を用いているものが多くなります。その為、大麻とカンナビノイド製剤の区別が曖昧となっているように見えるでしょう。さらに私の頭は疾患ベース・化学物質ベースであり」とおしゃりますが、サティベックスは単純化されているわけでも、化学物質ベースでも、カナビノイド製剤でもありません。

サティベックスも根本は、単純なカナビノイド製剤では十分な効力が引き出せないという考え方から出発しています。私も、現実にこれほど複雑なカナビスを単純化してエビデンスをいくら集めても全体が理解できるようになるわけではないとも思っています。これは、数学や物理のカオスや粉体化の問題に似ているようにも思います。

フロッガーさんは、医療カナビスが「エビデンス」をベースにしていようとしていないと思われている印象も受けますがそれは全く誤りです。とくに、アメリカにおいては、カナビスそのものを使った臨床研究を政府が非常に制限しているという事情が大きく影響しています。

実際、ここ数年で、カナビスによる二重盲検臨床実験がカリフォルニアで行われるようになって、はっきりとしたエビデンスが次から次へと示されています。医療カナビスを推進しているグループで、エビデンスなどどうでもいいなどと言っているところはありません。

また、確かに、エビデンスが大切には違いありませんが、エビデンス自体もそもそも確率的なものですし、その確率にしたところで素人が何となく思っているよりもずっと低かったりする。結局、二重盲検のデータであっても最終的には患者の証言で成り立っているわけで、ケーススタディの証言を軽く見て、それを言う医師は「無責任」であるとまで決めつけるのは間違っていると思いますが。

実際、現在最もよく使われている医薬品の一つであるアスピリンであっても二重盲検法でその効果が確かめられて認可されたわけでもありませんし、また、20世紀における最も偉大な発見の一つと言われるペニシリンにしても、たった6人の患者に試されただけで認可を受けています。

フロッガーさんはまだお若いからそうだろうなとも思ったりするのですが、私がこれまで診察をうけた医師たちの中にも、患者の私の言うことに全く耳を傾けようとしない人もたくさんいました。私のサイトを読む価値がないと思うのであれば、それはそれでかまいませんが、はっきり申し上げて、患者の意見に耳を傾けようともしない医師であるならば、私の方から診察をお断りしていますが。