言い訳っぽい反論1 投稿者:フロッガー 投稿日:2008/09/25(Thu) 08:43  No.4009   [返信]
ダウさん
売り言葉に買い言葉的になってしまいましたね。正直なところ、私がダウさんと言い争うつもりはありません。議論の前提として言っておくと、ダウさんのホームページの情報はすごいもので、私もよく拝見して勉強させていただいていますし、ダウさんのことを尊敬しています。
勘違いされると困るのですが、私は大麻草にエビデンスがないと別に言いたいわけではなく、述べたのは論文で大麻草のものは比較的少ない、という事実です。さらに、THCの内服薬の論文が(少し前ではありますが)、多いという率直な感想があって、別にそれに対する特別な思想はありません。また、科学研究は、一般に単純な研究からより複雑な研究に移行していくのでその過程なんだろう、という考察を述べただけです。もちろん現場から上がってくる臨床研究では効果をメインに考えて複雑なものから行うこともあるでしょうけど。
私の場合は、疾患ごとでデータをまとめることが多かったので、THCの報告では云々、大麻草の報告では云々、という形になりやすく、混ざった感じになります。あとは、臨床医としては、カンナビノイドだろうと大麻草だろうと、安定した効果があればそれでいいだろう、とも思います。もちろんコストや患者の好みの問題はあると思いますが。ダウさんとは切り口が違うということなのだと思いますが、私がリトルダウさんになってもしょうがないでしょう?
もちろんTHCなどの単体カンナビノイド製剤と大麻草は違うものと認識していますが、THCは大麻草のエッセンスなので効果が近く、大麻草の効果の一面を鋭く切り取ったものになるだろうと思います。そういう意味で、科学の積み重ねにとって重要な知見だろうと思います。だからいい薬と言っている訳というわけではなく問題もあって、単体だから効果が違ってくるということ以外にも、ダウさんもご存じのとおり、投与法の問題があり、経口投与のために量の決定が困難でオーバードーズになったり、逆に効果量まで到達しなかかったりして、薬としての有用性は低く評価されてしまうという問題もあると思います。
各論については述べたつもりはなかったのですが、サティベックスは大麻濃縮剤だということももちろん認識しています。これはニュータイプの薬で、大麻草と単体のカンナビノイド製剤の中間に位置するものと思います。いろいろな薬剤(特にTHCとCBD)の合剤であり、薬理学的な評価は複雑で難しいのだと思います。サティベックスの工夫は投与法が口腔内舌下投与ということもあるのでしょうね。内服がいまひとつなので。