無題 投稿者:しら 投稿日:2009/11/06(Fri) 10:21  No.5783  Mail  [返信]
ジンさん
>成田さんの裁判ですが、感想を率直に述べると「残念」の一言につきます
>医療大麻について注目している難病患者は今回の裁判を見守っていたはずです。

そうですね。私は難病患者ではないけど、大麻を医療的に使えるような社会にしたいと願う者として、私なりに支援し、注目もしてきました。一審の結果については、記事として書いた通り、「予想通りの不当判決」で、私には戦略を誤った必然的な結果だとしか思えません。

>今回の裁判は、今後も続くはずの医療大麻裁判の試金石となるはずだったからです。

試金石というか、一歩前進、あるいは大きな前進にできるはずの案件だったと思います。成田君の裁判を全面的に支援するとして傍聴やビラ撒きなどに取り組んでいるグループは、今まで裁判の実質を深めるような取り組みをしたことがないので、そのような点ではいくつもの裁判を支援してきたTHCや、医療大麻裁判を次の段階に進めるような判決を勝ち取っている前田さんなど、それぞれの知恵や知識を結集して「枠」を越えた支援体制を作るのが良いと思い、私は「支援する会」を仕込んだのですが、まったく機能させることができませんでした。

>心理的に国・厚生省に対して「お世話になっている」、
>という引け目がありますから、裁判などで国とあらそうのは、
>心理的な抵抗感があるのです。

ジンさんの、クローン病という立場からの、リアリティーの感じられる感想、とても参考になります。そのような面があることに配慮して進めていかなければならないと思いました。そのためにも、運動側から提起する裁判では、できるだけ多くの患者たちに参加してもらい、特定の人だけが注目されてしまうような事態は回避したいですね。

>医療大麻に一縷の望みを抱いていた難病患者は、
>現実の厳しさを味わったはずです

そのように感じてしまう難病患者が多数いるだろうことを懸念して、私は敢えて成田君の裁判の進めかた、他人に支援を求めておきながら公判の報告もせず、判決文も公表しないといった姿勢や、弁論の内容について、批判的検証をしておくことにしました。なぜなら、成田君の裁判は、医療大麻に一縷の望みを抱いていた難病の人たちか、落胆するに値しないものであり、一縷の望みを失うには及ばないことをはっきりさせておきたいと思ったからです。

成田君の裁判は、決して「現実の厳しさ」を示しているのではないと私は思っています。予期せぬ職質でLSDと大麻の所持で逮捕され、刑事事件の被告人として起訴され、いくら大麻は難病治療のためだから無罪だと主張しても、弁論までお粗末だと、一般的な大麻所持の事件となんら判決は変わらない、ということであり、これは「現実の厳しさ」というより、現在の日本における「普通の現実」でしょう。

>自分は、法律には疎いのですが、今回の裁判で、かなり勉強になりました

それが何よりの収穫ではないでしょうか。

>やっぱり裁判というのは完全な理論闘争の場で、理論と証拠で勝負しなくてはならないのですね。

まったくその通りだと思います。検事や裁判官がどのように言ってくるか、予め予測したうえで、それを超えるための法律論を、証拠とともに用意しておく必要があるのだと思います。これまで私が積み上げてきた情報公開請求の結果なども、厚労省の怠慢を示す証拠になると思います。

>麻枝さんのサイトやここのサイトを読んでようやく論点がつかめてきたという感じです

それは良かった。成田君の裁判で、一縷の望みが消えたなどと決して思わないで下さい。期待していた難病患者の人たちがそのように思ってしまうことを、私は最も恐れています。そのために敢えてこの裁判の弁論や進めかたに批判的検討を加えておくことにしたのですから。

>成田さんが論告や判決を公表しないというのはマズイですよ
>成田さん一人で裁判やるならともかくみんなの協力の上にやるんだからさあ。それは公表すべきだよね。みんなのカンパとか貰ってるんだもん。

戦略以前の話だよね。今後の戦略を明らかにしろって言っているのではなくて、寄付してくれた多くの人たちへの報告として、公判の内容や論告や判決文を公表すべきだって、これ、実にあたりまえのことでしょう。一般的な社会的常識に属する事柄だと思います。

いくつもの通りすがりさん
>何もしてないじゃないか、気持ち悪いから寄ってこないでねなんて書かれました。

私はできるだけ意味のある判決を勝ち取ってほしいという、ただその一点で、できる協力はしようと思い、そうしてきたつもりです。彼のブログでも、彼を批判するようなコメントに対して、擁護するような書き込みもしたりしました。カンパしてくれた人に向ってあまりに非礼な対応をしているのを知り、電話で直接注意もしてきました。はっきり言うと、たまたまパクられて否応なしに裁判にかけられてるだけの話なのに、根本的なところで何か勘違いしているのだと思います。

>人は感謝すること、大切ですよね。

感謝する気持、とても大切ですよね。ありがたいな、という感謝の思いというのは、自然と内的に起きてくるものなので、感謝すべきだと外から指摘しても、きっとそれは心の深くには届かないものなのでしょう。感謝する感性と、感謝することができない感性。その違いではないでしょうか。それこそ、大麻の教えのような気がするけどね。

しばらく前のことですが、彼は「自分のためにやっているのではない、みんなのためにやっているのだ」とも言っていました。だから、支援されてあたりまえだと思っている。私は呆れて、だったらたまたま逮捕されなければ自分から何か医療大麻のために活動していたか?と聞くと、していなかっただろうと言う。なんのことはない、繰り返しになるけど、彼はたまたま職質でLSDと大麻の所持がバレて逮捕され、刑事被告人として起訴されて、否応なく法廷に立たされているだけの話なのです。その基本的な事実をしっかり認識していないから、「自分のためにやっているのではない」といった言葉がヘーキで出てくる。私は、「だったらこんな裁判やめちまえ」と言いました。ま、やめられないんだけどね、刑事被告人として起訴されたんだから。

>それでも成田の事支援するといっている人いるから、幸福者だね。今以上に感謝してくださいね。

私はもう微力ながら何かできることがあれば協力しようという気持が失せました。医療大麻裁判の実質としては既に一審で終わってしまったようなものだし、他人にカンパを求めて少なくない額を得ながら、公判報告や論告や判決すら明らかにしない裁判など、支援もクソもありません。勝手にしろよ。そう思っています。