らもさんの訃報に寄せて 投稿者:白坂 投稿日:2004/07/28(Wed) 03:03  No.62  Mail Home  [返信]
中島らもさんの訃報、驚きました。
http://www.hihanzaika.org/051blog/mbbs.cgi?mode=view&no=1605&page=1

らもさんに渡した桂川さん。仲介したとしてパクられた前田さん。俺は桂川さんの大麻隠匿先としてガサが入り、パクられました。もちろん、私は自分の逮捕を誰かのせいにするつもりはなく、それはあくまでも私自身の責任です。ただ、流れに、大麻を擁護する者としての縁を感じているだけです。

らもさんの「牢屋でやせるダイエット」は大阪拘置所の独房で読みました。私はその頃、大麻取締法が間違っていると、取調べで言い続けていました。が、らもさんは、弁護士の忠告もあって実刑を恐れ、またダイエットどころか実際は夜毎オナニーし、保釈段階では4s太ったと書いてありました。大阪拘置所の飯がうまいのはその通りでした。読後感は、なんだかなぁー、でした。

それでも、らもさんは、らもさんなりの戦いを戦っていたのではないでしょうか。裁判終了後も、多数のメディアで、らもさんは大麻を擁護する発言をし、いずれ大麻を主題にした小説を書くと言っていたそうです。

らもさんについて、カンナビストの麻生氏は、桂川さん支援の文章に次のように書いています。
http://www.cannabist.org/database/kn2003/index.html

> 桂川さん裁判の現状について  -- 2003.10.01 / 麻生
(中略)
> いろいろな意見を拝見していると、一部では桂川さんを大麻自由化のシンボルのように神格化する
> 意見もあるようです。そもそもこの事件の発端になった中島らもが桂川さんのことを「棟梁」
> 「大物」(引用が正確ではないかもしれませんが、趣旨はそういう表現でした)と持ち上げたこと
> が、当局側の誤解を生みだした要因のひとつだったようにも思われます。しょせん、そういう文筆
> の世界の人たちは、物事を面白可笑しく書くことで金銭(原稿料)を得ているので、大麻自由化を
> めぐる国家権力との関係について真のリアリティはつかめていませんし、最初からそんなことは考
> えてもいないのでしょう。
(後略)

らもさんは、「国家権力との関係について真のリアリティ」を実感していたからこそ、恐れていたのではないかと私は思っています。らもさんが取調べで他者のことを喋ったという根拠のない噂がありますが、事情に詳しい人の話などによると、らもさんは誰のことも喋っていないようです。

正確ではないかもしれない引用で他者に批判の矛先を向ける行為。それは何なのでしょう。

私自身、麻生さんには、保釈直後、保釈されたことを連絡する電話で、私が微量の大麻を譲ったことがある運営の「●●さんのことを話しましたね?本当のことを言って下さい」と、責められました。私は誰のことも喋っていないと言いましたが、「白坂さんが喋ったとしか考えられないんです、本当のことを言って下さい」と、疑いは晴れませんでした。どんなことを調べで聞かれて、どんなことを喋ったのか、詰問は短くありませんでした。保釈直後の詰問。げんなりしたことを憶えています。その後、私を支援してくれるという会議に、私の取調べ調書の写しを持ってきて下さい、という話があり、私は持参し、純粋に経緯を知りたいために読んでいた人もいましたが、私が●●さんのことを喋ったと前提して読んでいる者もおり、「自分のやったことをどこまで反省しているのか」と問い詰める者もおり、そのことを、「なんだか取調べを受けているようだった」と、どこかの掲示板か私自身のサイトに書いたことがあります。私の保釈前、ある者に「白坂さんは麻の復権をめざす会を裏切った人間なんですよ」と麻生さんが話していたことも聞いています。いったいどういう意味なのか。電話で直接聞いたこともありますが、要領を得ませんでした。

私は、カンナビストを立ち上げ、育ててきた麻生さんに、一定の敬意を持っています。が、麻生さんの旧左翼的な排他性に大いに疑問を持ってもいます。

桂川さんの支援を表明しておきながら、一審判決の判決文を散々催促されるまで掲載せず、今や控訴審の趣意書提出期限も過ぎた現在になっても、今後の支援についての方針を出さず、一審の総括すら出さない支援のあり方に、極めて大きな疑問と批判的意見を持ってもいます。

人はそれぞれ与えられた限界を持って生きています。
人の一生など、儚いものです。

らもさんは、らもさんとしての生涯を生きたのでしょう。
こころからご冥福をお祈りします。

合掌。
らもさんの生涯に、乾杯!