メイヨ・クリニックの研究では

THCの食欲改善効果は標準以下



神話

メイヨ・クリニックで行われた研究では、癌患者の食欲改善には、標準的な治療法に比較してTHCのほうが効果が劣っていることが示されている。 アメリカ連邦麻薬局(DEA)の医療カナビス神話 2-4


事実

実際には、圧倒的多数の研究が、他の治療法よりカナビスのほうが効果の高いことを認めているが、DEAは、メイヨ・クリニックという権威ある研究所の名前を使って、いかにもカナビスに医療効果がないかのような印象を与えようとしている。


●この神話の言い回しの狡猾なところはTHCという用語の使い方にある。2001年にメイヨ・クリニック行われたこの研究 で使われているTHCは、実際には合成THC(マリノール)であって天然のカナビスではない。

研究者たちは、標準的な治療法として使っているブリストル・マイヤーズ スクイブの 酢酸メゲストロール がインポテンツ・高血圧・発熱・不眠、むかつき、高血糖などの強い副作用を引き起こすために、副作用の少ないマリノールに変えようとして実験を行ったもので、結果がマリノールの能書き通りではなかったと落胆している。(この研究はカンファレンスで発表されただけで、正式な論文としては出版されていない)


●従って、この研究では天然のカナビスの治療効果については何も実験しておらず、何の比較も行っていない。


●実際には大多数の研究で、天然のカナビスに比較して合成THCの効果が低いことが示されている。

例えば、テネシー医薬品評議会は、癌の化学療法にともなう吐き気や嘔吐の治療で「THCカプセルを投与した患者グループよりもカナビスを吸引した患者グループのほうが23%も成功率が高い」 ことを見出している。またニューメキシコの研究者たちも 「カナビスを吸引した患者グループでは90.39%に改善が見られたが、THCを経口投与したグループの改善率は59.65%にとどまっている」 と報告している。
マリノール 対 天然のカナビス  (2005.8.11)

また、2007年6月に発表されたコロンビア大学の研究では、カナビス(THC3.9%)を喫煙した患者では平均して4日間で1.1kgの体重増加が見られたが、マリノールの経口投与の場合は、「現在推奨されている服用量の8倍」 を摂取した場合にやっと同じ程度の体重の増加が見られたと報告している。
エイズ治療研究、カナビス喫煙は 「明らかに医療効果がある」  (2007.6.28)