カナビスは

精神病患者の脳形態に異常は起さない

Source: IACM-Bulletin
Pub date: 15 Feb 2009
Brain morphology
http://www.cannabis-med.org/english/bulletin/
ww_en_db_cannabis_artikel.php?id=289


ドイツのゲッチンガム大学の研究によると、統合失調症と統合失調性感情障害の患者の脳形態においては、カナビスを使用の有無は無関係であることが示された。このことから、精神病の発症が、カナビスを使っていたことで脳に異常を起こしたとする考え方では成り立たないことが明らかになった。

研究の対象となった患者は、最近、統合失調症または統合失調性感情障害を発症したと診断された41人で、そのうち20人がドラッグ(主にカナビス)を使っていた。この二つのグループに対してMRI画像診断で、上側頭回、扁桃体-海馬複合部、帯状束の容積測定を行った。

ドラッグを使っていた患者たちは若い男性が顕著で、社会経済的な状態も低いという特徴が見られた。また、他の機能障害や不安やうつの傾向はわずかに見られたものの、その他の精神病理学的な作用には違いはなかった。さらに二つのグループ間には、側頭辺縁の脳形態には何らの違いも見出されなかった。

こうしたことから、研究者たちは、精神病発症においてはドラッグの使用が脳の形態に影響することはなく、精神病の発症が側頭辺縁域のドラッグ使用による脳異常が関係しているとする主張では説明できない、と結論付けている。