子供を守れ! ドラッグを合法化せよ


Frosty Wooldridge

Source: Examiner.com
Pub date: 13, Mar 2009
Save our children: legalize drugs
Author: Frosty Wooldridge
http://www.examiner.com/x-3515-Denver-Political-Issues-Examiner
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私の兄ハワード・ウルドリッジは、ミシガン州ランシングで警察官と麻薬捜査官だった。退役した後、現在ではLEAP(Law Enforcement Against Prohibition、禁止法に反対する警察官)の理事を務め、スピーカーに一人として一般の人々に 「ドラッグ戦争」 の失敗と欺瞞について語り続けている。

最初の10回の討論会を終えたころには、ますます多くのアメリカ人が、いかに政府が国民の税金を誤魔化して戦争を長びかせてきたのかその理由を理解するようになってきた。今ではLEAPには、裁判関係者、保安官、警察官、さらに一般の市民が1万人以上も加わっている。

39年にも及ぶドラッグ戦争で、3000万人がドラッグの単純所持で刑務所に入れられてきたが、政府は、口先だけで一見もっともらしいアメリカの将来について市民たちを教育してきた。

ハワード・ウルドリッジは、「私たちは、何十年にもわたってコマーシャル・スポットを見せ付けられ、警察官や政治の指導者たちはもっと多くの活動ができるようにすることを要求し、違法ドラッグの脅威から 「子供たちを守る」 ためにもっと多くの人を逮捕すべきだと主張してきたのです」 と言う。

「だが、今のドラッグ戦争のもとになっている禁止法は、果たして若者を助けているのでしょうか? それとも傷つけているのではないか? 私の警察官としての18年の経験とこの問題に関する10年以上の熟慮の結果、私は後者であると確信するようになったのです。本当に命を守り、子供たちの将来を守るためには、今すぐに違法なドラッグを合法化して課税規制管理する必要があるのです。」

麻薬取締局(DEA)のパンフレットには、「アメリカの若者には、ドラッグが簡単に入手できるようになってしまっている」 と書かれている。このことは、自分たちの政策の失敗を認めて、子供が簡単にドラッグを買えるようにしてしまったことを意味している。

実際、政府の調査でも、ティーンエイジャーたちはビールよりも違法ドラッグのほうが簡単に買うことができることが示されている。40年前は、大都市でしかヘロインは見られなかったが、現在では、ウイスコンシンのジェファーソンやアイダホのツインフォールスのような小さな田舎町でも簡単に手に入る。

「現在の禁止法は子供たちを殺しています。連邦政府の最新の調査によれば、90万人のティーンがドラッグ・ディラーとして雇われているのです。その多くがはじめてギャングに加わった者たちで、これまでのように成り上がったのではないのです。毎日何人かが銃撃されて毎週1〜2人が死んでいるのです。」

「この国の政策では、13才で仕事をしようとすれば犯罪者としての人生を始め、悪くすれば撃たれて死ぬようになっているのです。これがわがアメリカ合衆国なのです。人の道に外れている。ティーンは、わずかな小遣いで安いバーガーを買っいればよく、仕事などすべきではない。これに尽きる。ところが、大都市のゲットーでは、ティーンのドラッグ・ディーラーは成功のシンボルになっているのです。」

「彼らは金持ちで、女性をはべらせて自動車も持っています。回りからも一目置かれている。逮捕されたり撃たれたりしても、すぐに次の誰かがそれに取って代わるだけです。牧師や先生たちは、若者は学校に行くべきで、ドラッグはやるな、ギャングとは付き合うな、成功は自分の努力にかかっている、と当たり前のように説教します。」

「ですが、雇い主から高校の卒業証書を見せろとか、フランスがどこにあるかなどと聞かれることもなく、ドラッグを売っていれば相応の金を手にすることができるのに、なぜ懸命に勉強しろなどと言えるのでしょうか?」

DEAのパンフレットには、「… そして、多くの人たちが違法ドラッグをやってもそれほどリスクはないと思っている」 とも書かれている。禁止法推進論者たちのハードライン政策のせいで、子供たちに対するわれわれの教育は完全に失敗に終わっている。

「ジャスト・セイ・ノー」(Just say no)は、今では若者たちの捨て台詞の一種になってしまっている。さらに悪いことには、DARE(Drag Abuse Resistance Education、ドラッグ乱用防止教育)が、どの違法ドラッグの乱用でも死ぬと教えていることで、子供たちは大人たちが嘘をついていることを学んでしまう結果になってしまっている。

また、事実かフィクションかを知らされていない若者たちは、とんでもない実験をしてしまう。親が使っているバリウムと多量の缶ビールを一緒に飲んで多重ドラッグのオーバードーズで死んでしまう。このようなことは毎日のように起こっているが、たとえ友だちがオーバードーズで死にそうになってもトラブルに巻き込まれるのを恐れて救急車を呼ぶこともしない。

この背筋が寒くなるような状況を鼓舞しているのが、ワシントン州のパム・ローチ議員のような人たちで、彼らは、オーバードーズで死ぬような子供たちを守れば、違法ドラッグの使用を奨励してしまうことになるので死なせたほうがましだと信じている。

「当然のことですが、違法ドラッグの軽微な単純所持でも人生は破壊されます。きちんとした職業には就けなくなるし、自動車の免許やクレジットカードをもてなくなったり、公営住宅を追い出されたり、奨学金を打ち切られたりします。さらに悪いことには、取調べで友だちを売って逮捕させたりもするようになります。」

「フロリダ大学のラファエル・ホフマンの事件のようにそれが死に至る場合もあります。彼女は、私の同業者の警察官から、刑務所に入りたくなかったら密売人を装ってあるグループから銃とドラッグを仕入れるように強要されたのです。しかし、相手は真の悪党で、怪しまれた彼女は殺されてしまったのです。」

「2008年にノースカロライナで起こった事件は、さらにむかつくような悲劇的なものでした。マーク・リードという少年がカナビスの少量売買で逮捕されたのですが、警察官たちはあれこれ詮索して尋問したあげくに、協力しなければ何年も刑務所から出られないようにしてやると脅したのです。文字通り死への恫喝でした。釈放されて家の戻った彼は首をつって自殺してしまいました。わずか18才でした。」

「われわれは、学校ではなく次々に刑務所をつくることで若者や社会を傷つけてきたのです。学校の授業料は、1990年以降で平均して3倍ものインフレに見舞われています。刑務所の6*8フィートの部屋に230万の市民が押し込められていますが、その70%が現在の禁止法によるものなのです。兆のつくドルを費やして、わたしの同業者たちは3900万もの人々を逮捕してきたのです。まさに、行き先のない橋(Bridge to Nowhere)です。」

「ここ数年の荒涼とした社会を見ていると強く思います。政治家たちは、われわれの祖父母たちが1933年に禁酒法を撤廃した時ような意志や勇気を持ち合わせているのだろうか? 生命を守り、子供の将来を守るために、現在の禁止法を終結させるリーダーシップを取っことのできる人はいるのだろうか? その意志と勇気があれば、そのどちらも可能なのです。」

「犯罪が大幅に減った世界を思い描いてください。テロリストたちはドラッグが売れなくなって資金が枯渇し、子供たちがドラッグ・ディーラーに雇われることもなくなります。警察が酔っ払い運転や幼児虐待、テロに集中できる社会を思い描いてください。たとえドラッグによる問題が起こったとしても、裁判官ではなく医者の世話になる社会を想像してみてください。現在の禁止法を終結させる意志と勇気さえあれば… そのすべてが可能なのです。」

 
ハワード・ウルドリッジ

ハワード・ウルドリッジは1980年代ころから、重犯罪の75%が禁止法によって生み出されていることや、同僚の警官たちはカナビスの逮捕に精力をつぎ込むことでもっと重要な犯罪を見逃し社会の安全を損ねていることに気付き始めていた。警察を退職した後、1997年からドラッグ法の改革に取り組むようになった。

単に他の人のやり方を真似るのではなく、アメリカのドラッグ戦争の失敗をより多くの人たちに訴えるために、2003年から2005年にかけて、愛馬ミスティとともに アメリカ横断3300マイルのキャンペーンの旅 に出て、先々で市民一人一人声をかけた。

その後は、カーボーイハットにネクタイ、新しいバックルを身につけて、首都ワシントンで政治家や官僚たちを相手に禁止法を撤廃するように説得を続けている。

その他、LEAPのスピーカーとして、アメリカ中の大学や政治クラブ、ロータリやキワニス、ライオンズなどのクラブで講演している。彼のスピーチには独特の説得力があり、教育のスペシャリストとも呼ばれている。

Cowboy Cop Says End Drug War  (Youtube)
http://leap.cc/howard/rideIndex.php
http://leap.cc/howard/index.php

LEAPについては、 ホームページ
LEAP cops in their own words  (YouTube)
拝啓 スティーブ・クービー様 潮目が変わったドラッグ戦争  (2008.6.15)

禁酒法時代にも、禁酒法を撤廃して「子供を守れ」というキャンペーンが行われていた。単に健康を害するからという理由ではなく、現在と同様に、子供たちが犯罪に巻き込まれる現実があった。

最近では、子供たちがドラッグの生産や密売に関与していた事件の記事がしばしば見られる。中には7才の少女がドラッグと武器の運び屋にされた事件もある。

米国人の10代少年を「殺し屋」に養成、メキシコ麻薬密輸組織  (CNN 2009.3.13)
Gangs recruit girls of seven to carry drugs and weapons   (2009.3.19)

また、現在では、学校でのドラッグテストなどで違法ドラッグ取締りが強化されたために、医薬品の乱用が急増してきて大きな問題になっている。

カナビスのゲートウエイは過去のもの、今は家庭用常備医薬品がメイン・ゲート  (2009.2.9)
処方医薬品の死亡率 違法ドラッグ全体の3倍以上、フロリダ州検視調査委員会  (2008.6.14)
アメリカ・インディアナ州、処方医薬品の過剰摂取死亡が激増  (2008.6.30)