統計の詭弁

カナビスの救急患者が急増している


Subj: DAWN ED Marijuana Mentions
Author: Brian C. Bennett
Web: http://www.briancbennett.com/charts/dawn/bydrug/marijuana/mentions.htm


カナビスを禁止し厳重に取り締まる必要性を喧伝するためにさまざまな方法がが使われるが、その代表的なものに統計による詭弁がある。その分かりやすい一例として、Brian C. Bennettのウエブサイトではアメリカ政府の統計数字を基に 「カナビスの救急患者が急増している」 という主張の実態を詳しく検証している。 (その他にも膨大な分析が掲載されている)


データ・ソース: DAWN(Drug Abuse Warning Network)


救急病棟を訪れ、カナビスの使用を申告した人の統計
全救急患者数 ドラッグの使用を
申告した人数
カナビスの使用を
申告した人数
全ドラッグに対する割合 全救急患者に対する割合
1995 88,548,056 899,977 45,259 5.0 0.05
1996 91,189,270 906,078 53,770 5.9 0.06
1997 89,719,807 941,627 64,720 6.9 0.07
1998 89,682,719 981,286 76,842 7.8 0.08
1999 91,099,635 1,013,688 87,068 8.6 0.09
2000 96,163,379 1,098,915 96,426 8.8 0.10
2001 100,517,664 1,165,148 110,512 9.5 0.11
2002 102,809,601 1,209,938 119,472 9.9 0.12

確かに、カナビスの使用を申告した人数だけを見ていると急増しているように見えるが、全救急患者数も増加しており、割合でみると0.1%をわずかに越えているに過ぎない。

全救急患者数 過去1年以内にカナビスを使った人数 救急病棟でカナビスを申告した人数 全救急患者数に対する割合 全ユーザー数に対する割合
102,809,601 25,755,000 119,472 0.12 0.46

また、2002年の統計をもとに計算すると、緊急病棟を訪れカナビスを申告した人の割合は、全カナビス使用者(推定)のうち0.5%以下に過ぎない。

これが、アメリカ政府の主張するように社会の脅威と言えるのだろうか?