カナビス喫煙のリスクと害削減

カナビスの吸引に関しては、現在では、燃焼にともなうタールや一酸化炭素、熱などの害を全面的に回避できる バポライザー が簡単に入手できるようになっているので、煙に対する害削減はすでに解決されていると言ってもよい。また、ボング などの吸引装置の改良も目覚ましいものがある。

しかしながら、依然として最も人気があるのは吸引方法は相変わらずジョイントで、いくら害を指摘されても減る傾向は見られない。タバコの場合は、吸っている本人も何らかのネガティブな影響を気にしているのが普通だが、ジョイントではネガティブな感覚をもっている人は少ない。

これは、タバコと違って、たとえヘビーな常用者であっても喫煙で肺癌や気腫にはならないことが さまざまな研究で明らかになっている ことも影響しているだろうが、それ以上に、ジョイントにはユーザーを惹きつける何かがある。


ジョイントにはタバコを混ぜない

ジョイントの害削減に際して最も効果的なのは、タバコを混ぜて吸わないことだ。もともと、アメリカなどではジョイントにタバコを混ぜることはほとんどないが、ヨーロッパではむしろ普通になっている。

ヨーロッパではシンセミラが普及する1980年代以前は、カナビスとしてはハシシが主流だった。ハシシは燃えにくいのでジョイントにするときにはタバコに混ぜて巻いていたが、現在でもその習慣が一般的に残っており、バッズでジョイントを巻くときにもタバコを混ぜるのが普通になっている。

他にも、バッズだけでは均一に燃えにくいことや、途中で火が消えやすいことも理由になっている。しかし、このことに関しては、過剰な肥料や殺虫剤などが使われているせいだという指摘もある。

2008年7月からは禁煙法の開始にともない、オランダのコーヒーショップでは、タバコ入りのジョイントの喫煙が禁止 されたが、最近のタバコの値段の高騰や健康指向もあって、これまでの習慣がやがて廃れていっても何ら不思議ではない。

また、タバコを混ぜるという調整ができなくなった分だけ、コーヒーショップでは、適切に有機栽培されてメローに燃えるカナビスを率先して目玉商品にすることも考えられる。実際、最近のカナビスのコンテスト では、殺虫剤の検査を行うようにもなってきている。


強いバッズと長いフィルターを使う

アメリカのジョイントはタバコを混ぜないと言ってもフィルターにない両切りが普通になっているが、燃えて短くなったローチの部分にはたくさんタールが集中してくる。その意味では残らずタールを吸い込むことにもなってしまう。


オランダのピュア・ジョイントとタバコ入りジョイント
オランダのカナビスは効力が強いので、フィルターを長くして細く巻いてある
アメリカのフィルターのない両切りジョイントよりもタール量が少なく、除去能力も高い


吸引するタール量を減らずには、効力の強いカナビスを使えばその分だけカナビスの量も煙の量も減る。また、タールは口元の側に貯まってくるので、長いフィルターを入れれば除去効果は高くなる。さらに、ジョイント全体を細くすることで、燃焼温度も不必要に上がり過ぎないようにできる。