カナビスの酔いの種類


カナビスからは、紙から布、栄養食品、化粧品、建材、燃料など日常生活に必要なものはすべて作れると言われているが、こうした多様性はカナビスのハイや 医療効果 にもあてはまる。

カナビス禁止論者たちは、カナビスを吸うと、記憶・思考・学習能力に支障をきたし、不安・パニック・妄想を起こすなどと言うが、別に全くの嘘というわけでもない。しかし、それらはカナビスのハイによって起こる多種多様な面のごく一部に過ぎない。

多くのカナビスの症状には2面性があり、その人やその時のセットやセッテイングで全く反対になることも珍しくない。文章を読んで深く理解できる場合もあれば、全く読めなくなってしまうこともある。社交的になることもあれば、そうでなくなることもある。感覚が鮮明になることもあれば、ぼんやりしてしまうこともある。普段では絶対に思い出さないことを思い出したり、新しい発想や解決法を思いつくこともある。不安になることもあれば、不安や気持ちが鎮まることもある。

逆にいえば、気持ちよいトリップをするためには、セットやセッテイングを整えてネガティブな面が出にくいようにすることが可能なことを意味している。また、慣れれば、どのようなことを期待し目的としているかで、カナビスのハイの状態を意識的に調整することができる。


酔いの種類とゾーン

カナビスの酔いの種類については分類しようとするのが無謀といえるほど多様性があり、痛みの緩和から、リクレーション、知的活動、宗教体験など様々なパターンがある。しかも実際は入り交じっている。だが、いずれのパターンも、ハイのレベルと密接に関連しており、上限と下限に囲まれたゾーンを持っているという特徴がある。




G  スピリチュアル 至福、禅、覚りの境地 まれ

F  アドベンチャー 冒険的スリル体験 たまに

E  クリエイティブ 新発見、再発見、創造的になる 人による

D  リクレーショナル リラックス、音楽や社交が楽しい 最も一般的

C  コンセントレート 集中して作業ができる 慣れが必要

B  ヒーリング リラックス、気分が落ちつく、よく眠れる 健康管理

A  セラピック 身体的慢性痛、けいれんなどが軽減する 病気の治療


ゾーン

ゾーンは、そのパターンの効果がもっともよく感じられるハイのレベルの幅のことで、そのゾーン以下でも以上でも期待した効果が得られないことを示している。

例えば、痛みや鬱の治療にカナビスを使う場合には、ハイのレベルを高くし過ぎるとかえって症状が悪くなる ことが知られている。また、一般的に、意識を集中させて作業をする場合などではハイになり過ぎると注意力が散漫になって作業を続けられなくなるが、クリエイティブになるには軽くストーンしたくらいのほうがよく、当然、幻想体験やスピリチュアルな体験などは高いレベルでないと起こらない。


パターンの活用

ある程度訓練を積んで慣れてくると、自分のハイを目的のゾーンに導くことができるようになる。しかし、当然のことながら、普段クリエイティブでない人がカナビスで突然クリエイティブになったりするようなことはまずない。基本的には、普段の自分の特質がカナビスによって強まったり弱まったりするだけで、全く新しい能力が生まれるわけではない。

パターンのゾーンを維持することは必ずしも困難ではないが、ついつい一服多くし過ぎて 「行き過ぎて(Gone)」 してしまうことがある。特にコンセントレート・ゾーンやクリエイティブ・ゾーンではそうなりやすい。

また、医療的にカナビスを使う場合の原則はバズを感じた時点で中断することで、レスター・グリーンスプーン博士は医療カナビスの摂取法について 次のように語っている

「まず最初にジョイントの巻き方を教わって、最初の何回かは誰かに付き添ってもらって吸ってみてください。一服したら少なくとも2、3分はそのまま待って、何も感じないようでしたらさらに一服してください。繰り返すうちに、何か違って感じられるようになるはずです。不快で不安な感じになるかもしれなせんし、症状が緩和していることに気付くかもしれません。いずれにしても、そこで吸うのは中断してください。」